歌舞伎公演ニュース

2019年4月26日

中村鴈治郎、中村壱太郎、中村虎之介が
6月歌舞伎鑑賞教室への意気込みを語りました

 新元号・令和における国立劇場で初めての歌舞伎公演となる6月歌舞伎鑑賞教室。昨年7月には延べ入場者数が600万人を超えました。今回は『神霊矢口渡』を上演します。中村鴈治郎、中村壱太郎親子の共演による舞台です。また「解説 歌舞伎のみかた」は、中村虎之介が3回目の解説を担当します。
 公演に先立ち、鴈治郎、壱太郎、虎之介が意気込みを語りました。



(左より)中村虎之介、中村鴈治郎、中村壱太郎

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中村鴈治郎
(渡し守頓兵衛)

 『神霊矢口渡』の頓兵衛は、意外にも曾祖父の初代鴈治郎が一度だけですが勤めています(明治19年[1886]12月大阪角劇場)。また、壱太郎が勤めるお舟は、祖父(二代目鴈治郎)も父(坂田藤十郎)も勤めた役で、縁を感じています。初代鴈治郎の頓兵衛はどうだったのだろうと、頭の中で思い描くうち“これは面白い”と、ますますやる気になっています。
 父は「頓兵衛は“おかしみ”がなくてはだめだ」と言います。強突張りで“名誉より金”という男が、欲に駆られて間の抜けた事をしてしまう、心は急いても足がついていかないところから、「蜘蛛手蛸足(くもでたこあし)」の形が生まれたのだと思います。お客様がそこを納得して、おかしみに繋がるような頓兵衛にしたいです。今回の頓兵衛は、私にとっても役の幅を広げる良い機会で、今から楽しみです。
 最近は、大阪の道頓堀を歩いていても外国の方を大勢見かけるのですが、なかなか劇場までいらして下さる方は少ないのではないかと感じています。「Discover KABUKI」は、来年のオリンピック・パラリンピックに向けて、とても良いチャンスですし、外国の方に楽しんでいただこうという取り組みは、私にとっても大変有意義なことだと思います。

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中村壱太郎
(頓兵衛娘お舟)

 

 お舟は、ずっと演じたいと思っていた役ですが、今回、その願いが実現することになりました。そして、父と共演出来ればとも思っていたので、とても嬉しいです。さらに虎之介くんが新田義峰、(中村)亀鶴さんが六蔵で出演しますので、ぜひ成駒家一門の結束力を観ていただければと思っています。
 お舟を演じたいと思うようになったのは、まずは祖父(坂田藤十郎)が勤めていたということが大きいです。そして、(市川)猿之助さんが(市川)亀治郎時代に国立劇場の本公演で勤めた時(平成3年8月)の映像を観て心を打たれたことや、近年、尾上右近くんが「研の会」(平成29年8月)で勤めたのを観て、演じたいという思いが一層募りました。
 祖父が(市川)猿翁のおじ様の頓兵衛で上演した時(昭和49年[1974]3月明治座)に「人形振り」(義太夫狂言の一部分で俳優が人形浄瑠璃の人形の動きをまねて演技する演出)が採られました。その映像を猿之助さんからいただいて、“これは復活できる”という考えが浮かび、今回、後半は「人形振り」で勤めることになりました。
 歌舞伎には、一目惚れや身分違いの恋をする女性が出てきますが、その中でも、お舟は、親への孝行を思いつつも、やはり好きな人のためにという心の揺れが表現されているのでとても面白い役です。家族を思いながらも、好きな人に対してどうするのかを意識して、お舟の思いがお客様にしっかり伝わるようにしたいです。今回の公演一つ一つを大事にして、お舟を自分のものにしたいと思っています。

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中村虎之介
(解説 歌舞伎のみかた・新田義峰)

 解説を担当するのは3回目になります。今月の舞台(4月四国こんぴら歌舞伎)で、私の着付けをしてくれた若い衣裳担当の方が高校生の頃、私が出演した歌舞伎鑑賞教室を観てくれていたそうで「まさか自分が、あの時の舞台に出ていた人の衣裳を着せるとは思いませんでした」と聞き、嬉しかったです。
 私と同年代の友達にも、歌舞伎の思い出と言えば「歌舞伎鑑賞教室」のことを覚えている人が多く、学生の方々の記憶に残る公演ですので、“ぜひまた観たい”と思っていただけるようにしていきたいです。
 「Discover KABUKI」は、英語の字幕や6ヵ国語のイヤホンガイドで、物語も分かりやすく理解できるので、外国人の皆様にとって歌舞伎を気軽に鑑賞できる素晴らしい機会です。解説で少しでもお役に立てればと考えております。
 新田義峰のような二枚目の色気というのは、ある種の貫禄が付いてこないとなかなか出ないのではないかと感じています。それでも、自分の歳で出来ることもあると思うので、それを表現したいです。また、一門の俳優が大勢出演するので、安心感もあるのですが、責任感の方が強く感じられ、緊張感もあります。将来は立役として壱太郎さんと張り合えるような俳優になることが、成駒家を守る者の使命でもあります。こうした共演の機会を通じて、コツコツと積み上げていきたいです。

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 解説付きで楽しめる歌舞伎鑑賞教室。強欲非道な父親と恋しい人を命がけで守ろうとする娘のドラマを描く『神霊矢口渡』は、最後まで目が離せない劇的な展開で、歌舞伎を初めてご覧になるお客様にもお勧めです。
 7日(金)には、午後7時開演で、お勤め帰りの方にもご観劇いただきやすい「社会人のための歌舞伎鑑賞教室」を開催します。
 17日(月)午後2時30分・午後7時開演、18日(火)午後2時30分開演の「Discover KABUKI ―外国人のための歌舞伎鑑賞教室―」では、「解説 歌舞伎のみかた」にフリーアナウンサーの木佐彩子が加わり、日本語と英語を交えた特別バージョンでお届けします。中国語・韓国語・スペイン語・フランス語のイヤホンガイドのご用意もあります。『神霊矢口渡』では、英語字幕表示のほか、上記4ヵ国語に日本語、英語を含む6ヵ国語のイヤホンガイドをご用意いたします。
 また、「Discover KABUKI」以外に、19日(水)~24日(月)を「Multilingual Week(マルチリンガル ウィーク)」として、同6ヵ国語のイヤホンガイドを有料でご利用いただけます。

 さらに、今回、国立劇場では初めての試みとして「歌舞伎ワークショップ」を、15日(土)の午後2時30分開演の公演終了後に開催します(定員30名・事前応募制)。また、17日(月)の午後2時30分開演の「Discover KABUKI」の後には、英語通訳付きの「外国人のための歌舞伎ワークショップ」も開催します。詳細は公演情報ページの「歌舞伎ワークショップ」欄をご覧ください。

 皆様のご来場をお待ちしております。

6月歌舞伎鑑賞教室は、6月2日(日)から24日(月)まで

社会人のための歌舞伎鑑賞教室は、6月7日(金)午後7時開演

Discover KABUKI ―外国人のための歌舞伎鑑賞教室―は
6月17日(月)午後2時30分・午後7時、6月18日(火)午後2時30分開演
 
チケットは5月6日(月・休) 午前10時より予約開始 国立劇場チケットセンターはこちら ≫



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