歌舞伎公演ニュース

2019年3月11日

【3月歌舞伎】

“挑戦する小劇場歌舞伎” 若き花形俳優の活躍にも注目!
中村梅枝、中村歌昇、中村萬太郎、中村虎之介

 好評上演中の3月歌舞伎公演は、12年ぶりとなる小劇場での上演です。小劇場での歌舞伎公演は、昭和51年(1976)8月の『盟三五大切』の復活上演以降、これまでに19回行われ、上演が途絶えていた名作の復活や、次代を担う俳優たちの挑戦・研鑽の場となってきました。

 この公演では、中村梅枝、中村歌昇、中村萬太郎、中村虎之介の4人も大役に挑んでいます。次代を担う若き花形俳優の挑戦を舞台写真とともにご紹介します。


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 ◎中村梅枝、◎中村歌昇、◎中村萬太郎、◎中村虎之介


中村梅枝(『積恋雪関扉』小野小町姫、傾城墨染実ハ小町桜の精)
 恋人に逢うため、逢坂の関を訪れた小野小町姫。関守関兵衛(尾上菊之助)とのおかしみのある問答から、恋人の良峯少将宗貞(中村萬太郎)と描き出す二人の馴れ初め、そして、三人の大らかな手踊りへと、舞台が華やかに展開します。恋心を募らせる小町姫の姿が可憐さを感じさせます。
 後半では、桜から傾城墨染が現れ、舞台に夢幻的な雰囲気が漂います。関兵衛とともに遊廓の風俗を華やかな踊りで表現します。やがて衣裳を一瞬にして変化させる「ぶっ返り」で互いに本性を顕すと、大伴黒主(尾上菊之助)と小町桜の精が激しく争います。黒主の振りかざした巨大な鉞(まさかり)をかわし、小町桜の精が美しい海老反りを見せます。




【左上】小野小町姫  【右上】傾城墨染
【下】小町桜の精と大伴黒主(尾上菊之助)


中村歌昇(『元禄忠臣蔵』富森助右衛門) 目次へ戻る
 主君・浅野内匠頭の敵と狙う吉良上野介が招待されていると知り、「お浜遊び」の隙見を願い出た富森助右衛門。江戸に不慣れな無骨者を装って、好奇心と見せかけて邸内について尋ねる姿は、宿敵を討ちたいという強い思いを感じさせます。御座の間では徳川綱豊(中村扇雀)と丁々発止の問答を繰り広げ、熱気に満ちた二人の応酬は、やがて最高潮を迎えます。
 浅野家再興が決まれば討ち入りが不可能になると思い詰めた助右衛門は、妹・お喜世(中村虎之介)の手引きで吉良を闇討ちしようと決心します。そして、能舞台の背面で吉良と思しき人物へ槍を突き出しますが……! 満開の桜の下の立廻りは息を呑む緊迫感に溢れています。




【上】富森助右衛門
【下】徳川綱豊卿(中村扇雀)と富森助右衛門


中村萬太郎(『積恋雪関扉』良峯少将宗貞) 目次へ戻る
 大伴黒主の陰謀を暴こうとして左遷され、逢坂の関の近くに侘しく暮らす良峯少将宗貞。古怪な関守関兵衛とは対照的に、その姿は優雅で気品に溢れています。小町姫が訪れると久々の逢瀬を喜び、呼吸の合った踊りを見せます。二人の馴れ初めが情感豊かに描き出されます。
 鷹の運んできた片袖に記された故事から、弟の死を悟る姿は、聡明さを感じさせます。関兵衛と黒主の関係を匂わせる手がかりを掴むと、機知を働かせ、小町姫を都へ向かわせます。そして、関兵衛の正体を探ろうと、酒に酔った関兵衛の懐に手を伸ばしますが……!




【上】良峯少将宗貞
【下】小野小町姫(中村梅枝)と良峯少将宗貞


中村虎之介(『元禄忠臣蔵』中臈お喜世) 目次へ戻る
 綱豊の寵愛を受ける中臈お喜世。赤穂浪士の一人で義理の兄の助右衛門から手紙を受け取ったことで、上臈たちに咎(とが)められます。意地の悪い御殿女中とは対照的に、お喜世の初々しさが際立ちます。「お浜遊び」の隙見を願う兄の手紙に当惑する一方、兄の狙いを知りながら隙見を許す綱豊の真意も察しかね、複雑な心境に置かれます。 御座の間では、綱豊と対面した兄の頑な態度に、心中穏やかでない様子を見せます。綱豊に暴言を吐いた兄に凄まじい剣幕で躍りかかろうとする一方で、思い詰めた兄の胸中を察して寄り添う姿に、兄妹の深い心の絆が浮かび上がります。




【上】中臈お喜世
【下】中臈お喜世と富森助右衛門(中村歌昇)



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 大役に挑む若き花形俳優の個性が、美しい「桜」とともに色とりどりに花開く3月歌舞伎公演。小劇場ならではの熱気溢れる舞台で、次代を担う若き俳優たちの挑戦を間近にお楽しみください。
 今月は、19日(火)を除く火曜・土曜と、祝日前日の20日(水)に、17時開演の部もございます。また、19時過ぎから『積恋雪関扉』を鑑賞できるお得な特別当日券「アフター7 KABUKI」もございます。
 さらに、20日(水)から前庭で開催される「さくらまつり」(11時~21時)では、日没から21時まで桜の夜間ライトアップが行われます。この機会にぜひ、美しい桜に彩られた国立劇場へお越しください。

 3月歌舞伎公演『元禄忠臣蔵』『積恋雪関扉』
27日(水)まで ※10日(日)・11日(月)は休演
12時開演(15時40分終演予定)・17時開演(20時40分終演予定)



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