歌舞伎公演ニュース
2021年3月8日
【3月歌舞伎公演】
『時今也桔梗旗揚』
好評上演中、27日まで!
(舞台写真あり)
《歌舞伎名作入門》と銘打ち、分かりやすい解説付きで楽しめる3月歌舞伎公演『時今也桔梗旗揚(ときはいまききょうのはたあげ)』。主人公のモデルは大河ドラマ等でも話題となった戦国武将・明智光秀です。光秀が織田信長に反旗を翻す「本能寺の変」に至るまでの過程を克明に描いており、劇中ではそれぞれ「武智光秀」と「小田春永」の名で登場します。
光秀役を長年手がけてきた中村吉右衛門の監修のもと、尾上菊之助が光秀に初役で挑むのをはじめ、魅力的な出演者がスケールの大きな舞台を繰り広げています。
はじめに、作者・鶴屋南北の架空の弟子・鶴屋東西に扮した片岡亀蔵による軽妙な解説「入門 歌舞伎の“明智光秀"」をお楽しみいただいた後、いよいよ『時今也桔梗旗揚』の開幕です!

「入門 歌舞伎の“明智光秀”」
ご案内 片岡亀蔵
戦国時代、天下統一を狙う小田春永は諸大名を平定し、朝廷から最高位の太政大臣に任じられることが決まります。家臣の武智光秀(尾上菊之助)は、勅使を接待する饗応役を命じられます。

序幕 「饗応の場」
武智光秀(尾上菊之助)、小田春永(坂東彦三郎)
勅使の到着を控え、光秀の仕度の様子を見た春永(坂東彦三郎)は、武智の家紋である水色桔梗を染め抜いた幕を見て怒り出します。光秀は整然と釈明し、主君の短慮を諫めますが、かえって怒りを買ってしまいます。

序幕 「饗応の場」
武智光秀(尾上菊之助)、森蘭丸(中村萬太郎)、
小田春永(坂東彦三郎)ほか
春永の逆鱗に触れた光秀は、鉄扇で眉間を割られ、謹慎を命じられます。一人残された光秀が鉄扇を見詰める姿からは、複雑な心境が窺えます。

二幕目「本能寺馬盥の場」
[左より]光秀妹桔梗(坂東新悟)、
住職日和上人(片岡亀蔵)、
森力丸(中村鷹之資)、
森蘭丸(中村萬太郎)、
小田春永(坂東彦三郎)ほか
光秀の妹・桔梗(坂東新悟)は、春永に許しを乞うため、春永が宿所とした京都・本能寺へやって来ます。居並ぶ家臣たちを前に、献上品に目を留めた春永は、馬盥(ばだらい)に錦木を活けて贈った出征中の真柴久吉の忠心を褒め称える一方、紫陽花(あじさい)に昼顔を付けて贈った光秀には、逆心を疑います。釈明する桔梗に家臣たちが口添えするので、春永は光秀を呼ぶよう命じます。

二幕目「本能寺馬盥の場」
武智光秀(尾上菊之助)ほか
春永への目通りが叶った光秀は喜びの感情を示しますが、春永から馬盥で酒を飲むよう強いられます。恥辱に耐えて飲み干した光秀に対し、猜疑心の強い春永はこれ見よがしに理不尽な仕打ちを重ねていきます。春永の横暴に対して、顔色を変えず、感情を押し殺す光秀。燕手(えんで)の鬘(かつら)に紫紺の衣裳という扮装も、光秀に一層の凄みを加えています。

二幕目「本能寺馬盥の場」
武智光秀(尾上菊之助)
辛抱を続けていた光秀も、春永から渡された箱の中身を見ると、ついに堪えかねて身を震わせます。数々の仕打ちに無念の思いを募らせていく光秀の心模様が、見事に描き出されます。

大詰「愛宕山連歌の場」
[左より]安田作兵衛(中村又五郎)、
光秀妹桔梗(坂東新悟)、
光秀妻皐月(中村梅枝)、
連歌師宇野丈巴(河原崎権十郎)
愛宕山の光秀の宿所では、妻の皐月(中村梅枝)が、重臣・安田作兵衛(中村又五郎)と連歌師・宇野丈巴(河原崎権十郎)を前に、夫の行く末を案じています。桔梗から本能寺での一件を聞き出した皐月は、ともに涙に暮れます。光秀を思いやる二人の不安が浮かび上がります。

大詰「愛宕山連歌の場」
武智光秀(尾上菊之助)
やがて春永の使者を迎えた光秀は「時は今 天(あめ)が下(した)しる 五月 (さつき)かな」と辞世の句を詠みますが……!?
物語の全容は、劇場でお楽しみください。解説付きなので、初めて歌舞伎をご覧になるお客様から愛好家の方々まで、名作の醍醐味を堪能できます。歌舞伎の“明智光秀”を、どうぞお見逃しなく!
【関連トピックス】
◇休憩後「さくら割引」のご案内
◇尾上菊之助が意気込みを語りました!

3月歌舞伎公演『時今也桔梗旗揚』
3月歌舞伎公演は、27日(土)まで!
※10日(水)・11日(木)・19日(金)は休演
チケット好評販売中!
国立劇場チケットセンターはこちら ≫
