歌舞伎公演ニュース
2023年1月5日
初代国立劇場さよなら公演
【初春歌舞伎公演】
『通し狂言 遠山桜天保日記』
好評上演中
1月27日(金)まで!
(舞台写真あり)
初代国立劇場では見納めとなる初春歌舞伎公演が、『通し狂言 遠山桜天保日記―歌舞伎の恩人・遠山の金さん―』で賑やかに幕を開けました。
名奉行“遠山の金さん”を尾上菊五郎が14年ぶりに勤めているほか、息のあった一座が明るく華やかな初芝居を繰り広げています。舞台写真とともに、見どころをご紹介します。
お正月気分を堪能できる極上の初芝居
今年は舞台上からの手ぬぐいまきも復活!
(大詰 「河原崎座初芝居の場」)
江戸木挽町の芝居小屋・河原崎座の楽屋。笛方の六郷新三郎(市村橘太郎)と鳴物師の望月太文治が喧嘩を始め、楽屋中が大騒ぎになります。そこへ唄方として芝居に出入りしていた遠山金四郎(尾上菊五郎)が仲裁に入り、見事に解決します。金四郎が気風の良さと器量の大きさを印象付け、後の名奉行の片鱗を見せます。
折しも、遠山家の家老・簑浦甚兵衛(坂東楽善)が幕府からの奉書を手に駆け付けます。町奉行に登用されることになった金四郎は、河原崎座若太夫・河原崎権三郎(中村萬太郎)ら一同に祝福され、庶民の暮らしを守るため、全力を尽くすことを誓います。
序幕 第一場「河原崎座楽屋の場」
(左より)
遠山家用人 樋口善之助(坂東亀蔵)、
遠山家家老 簑浦甚兵衛(坂東楽善)、
遠山金四郎(尾上菊五郎)ほか
浅草花川戸の清元の稽古所。女師匠・おわか(中村梅枝)に横恋慕する尾花屋番頭・清六(片岡亀蔵)が、おわかの帰りを待ちわびながら、妹分の待乳山のおえん(尾上右近)に稽古を受けています。すると、おわかの養父・須之崎の政五郎(河原崎権十郎)の呼び出しで、おわかと母・おもと(中村時蔵)、続いて、尾花屋の若旦那・小三郎(尾上菊之助)がやって来ます。
序幕 第二場「花川戸須之崎
政五郎内稽古所の場」
政五郎養女おわか(中村梅枝)、
尾花屋小三郎(尾上菊之助)、
尾花屋番頭 清六(片岡亀蔵)、
角太夫女房おもと(中村時蔵)、
須之崎の政五郎(河原崎権十郎)
小三郎とおわかは、相思相愛ながら不釣り合いであると、政五郎に縁切りを持ち掛けられます。心中を覚悟した二人は、桜の名所・三囲堤へ向かいます。月明かりの中、忍び逢う小三郎・おわかの儚い恋模様が美しく綴られます。
序幕 第三場「隅田川三囲堤の場」
政五郎養女おわか(中村梅枝)、
尾花屋小三郎(尾上菊之助)
二人が入水した後、短筒(ピストル)強盗の生田角太夫(尾上松緑)が現れ、吉原に通う僧の佐島天学(坂東彦三郎)から金を奪い、角太夫・天学の悪党ぶりと二人の因縁が描かれます。やがて天学を陥れ、八州廻りの咲島千介(中村萬太郎)らを首尾よくかわした角太夫は、大胆不敵な笑みを浮かべます。
序幕 第三場「隅田川三囲堤の場」
佐島天学(坂東彦三郎)、
生田角太夫(尾上松緑)
入水を図るも生き残った小三郎は、小吉と名乗って、悪の道に足を踏み入れます。羅漢尊者(市川左團次)のお告げを受ける幻想的な霊夢の後、角太夫・小吉・天学の出会いが描かれます。
二幕目 「安房国山中の場」
尾花屋小三郎(尾上菊之助)、
羅漢尊者(市川左團次)
兄弟の盃を交わした三人は、佐渡金山の御用金強奪に乗り出します。政五郎に悪態をつく小吉の色男の悪党ぶりや、按摩に変装した角太夫や天学の悪の魅力、角太夫に人生を翻弄される女房おもとの悲哀などを織り交ぜつつ、起伏に富んだ物語が展開します。
三幕目 第二場「山の宿尾花屋の場」
按摩電庵実ハ生田角太夫(尾上松緑)、
角太夫女房おもと(中村時蔵)
三幕目 第三場「大川橋六地蔵河岸の場」
羅漢小僧小吉(尾上菊之助)、
佐島天学(坂東彦三郎)
やがて舞台は江戸から新潟へ。名高い料亭で繰り広げられる華やかな宴は一転、激しい捕物となります。尾上菊五郎劇団が磨き上げてきた大立廻りをお楽しみください。
四幕目 第一場「新潟行形亭座敷の場」
行形亭女将お滋(市村萬次郎)、
奥州屋善兵衛実ハ生田角太夫(尾上松緑)、
奥州屋番頭八右衛門実ハ佐島天学
(坂東彦三郎)ほか
果たして、天下を揺るがす大事件の行方は! さらに、廃絶の危機に直面した芝居小屋の命運は!! お馴染みの桜吹雪の名裁き、そして、初芝居にふさわしい大団円を迎えます。
五幕目 「北町奉行所白洲の場」
遠山金四郎(尾上菊五郎)ほか
初代国立劇場最後のお正月を、尾上菊五郎をはじめとする豪華な顔触れで彩ります。初春らしい面白い趣向満載の圧巻の舞台を、どうぞお見逃しなく!
なお、劇場には口上看板や積み樽、大凧などを飾り、7日までは獅子舞や箏の演奏もございます。また、今年は舞台上からの手ぬぐいまきが復活し、全公演日でお楽しみいただけます。
新春の晴れやかさいっぱいに、皆様のご来場をお待ちしております。
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