歌舞伎公演ニュース
2022年12月16日
初代国立劇場さよなら公演
【初春歌舞伎公演】
『通し狂言 遠山桜天保日記』
尾上菊五郎、尾上松緑、
尾上菊之助が意気込みを
語りました!
〈初代国立劇場さよなら公演〉歌舞伎の第三弾! 現在の国立劇場では最後となる初春歌舞伎公演は、名奉行“遠山の金さん”が主人公の『通し狂言 遠山桜天保日記-歌舞伎の恩人・遠山の金さん-』をお楽しみいただきます。今回は、歌舞伎では半世紀ぶりの上演だった平成20(2008)年12月の当劇場での公演を、一段と面白く練り上げてお届けします。
公演に先駆け、尾上菊五郎、尾上松緑、尾上菊之助が意気込みを語りました。
(左より)
尾上菊之助、尾上菊五郎、尾上松緑
尾上菊五郎
(遠山金四郎)
14年ぶりに『通し狂言 遠山桜天保日記』に出演いたします。私は遠山金四郎を勤めますが、捌き役として、すっきりとした姿を皆様にお見せしたいです。これから色々と考え、初芝居らしいものを取り入れて、きっと面白いお芝居になると思っています。
大詰の河原崎座初芝居の場には、皆が勢揃いで出演いたします。春の桜爛漫の中、「芝居が民の学問所だ」と言う遠山の金さんの言葉のとおり、金さんの力で芝居がまた再開されて、めでたしということになります。以前はなかった場面ですが、やっぱりフィナーレを付けたほうが派手でいいと思い、今回は付けました。それにしても14年前の写真を見ると、肌にハリがあるので、刺青を見せるのに備えて今度はスキンケアもしっかりしようと思っています(笑)。
現在の国立劇場では最後の初春歌舞伎公演となり、少し寂しい思いもございます。今のところ私が最多出演のようで、本当に国立劇場に育てられたと言っても過言ではないくらいに色々な役や、復活狂言もやらせていただきました。感謝しております。
尾上松緑
(生田角太夫/河原崎座役者)
14年前、私は佐島天学を勤めました。菊五郎のお兄さんの相棒役ということですごく嬉しくて、このお芝居は国立劇場の復活物の中でも非常にインパクトの強い作品の一つです。今回こうして再演でき、前回お兄さんがお勤めになった生田角太夫を勤めさせていただくことになり、とても楽しみにしております。
角太夫をお客様に分かりやすい悪役としてお見せすることで、善玉である金さんとの対比が出てきますから、できるだけはっきりと悪と分かるように役作りをしていきたいと思っています。そして、“角太夫は嫌なヤツだな”と思ってもらえるような、歌舞伎の悪のスケール感も出していければと考えています。
国立劇場が建て替えになって寂しいと思う反面、未来に向けた目も持っていなければならないと思います。今の国立劇場の最後の初春公演で、私の中でも思い出深いこの作品を、菊五郎のお兄さんに話を伺いながら、今回天学を演じる坂東彦三郎さん、そして菊之助さんとも色々と相談しながら、遠山様に見事に裁かれる悪党を演じたいと思っております。
尾上菊之助
(尾花屋小三郎後ニ羅漢小僧小吉
/河原崎座役者)
前回も小三郎と小吉を勤めさせていただきましたが、若旦那から悪党という、違う役柄になることで精一杯だった記憶がございます。今回は、より深く役を捉えて演じることができればと思っておりますし、松緑さんの角太夫、彦三郎さんの天学という悪党3人が、この芝居の中をどのように駆け巡るか、ご期待いただきたいと思います。
今回は、尾上菊五郎家のお家芸「新古演劇十種」の内の『羅漢』を取り入れ、前回の祐天小僧小吉を羅漢小僧小吉と設定を変えて、役を作ってまいります。『羅漢』は、芝居の中に入れ込んで演じられた演目で、五代目菊五郎は、羅漢の名前を冠した人物が出てくる他のお芝居を演じています。五代目の写真集にも羅漢のなりをしたものが載っておりますので、羅漢についてはそういったものが参考になると思います。
尾花屋小三郎というお坊ちゃんが、角太夫と天学に出会い、2人の力を借りて悪の道に進んでいこうと思うのですが、やはり最後は悪になり切れずに、金さんに裁かれて諭されます。善と悪の間で揺らぐ、若旦那の甘さが残っているような悪になれればと思います。
最後の河原崎座初芝居の場では、彦三郎さんのご長男の亀三郎さん、(中村)梅枝さんのご長男の(小川)大晴くん、甥の(寺嶋)眞秀、息子の丑之助と、こどもたちも登場します。次の国立劇場に向かって、新しい若い力と父たちの力を合わせ、一丸となって良いお芝居を作り上げ、お正月に皆さんに「ブラボー!」と言っていただけるように頑張ってまいります。
初代国立劇場での初芝居の見納めは、桜吹雪の名裁き! 庶民の生活を守るために尽力したとされる“遠山の金さん”を主人公に、江戸に蠢く悪党たちの闊達で時に妖しく、時に颯爽とした魅力を散りばめながら、初春らしい華やかな舞台が繰り広げられます。
初日は出演者による新年のご挨拶と曲芸の披露、7日までは獅子舞・箏の実演がございます。また、今回は公演期間中の全日、舞台からの手ぬぐいまきが復活いたします。その他、新年を寿ぐお正月飾りとともに、賑々しく皆様をお迎えします。(→詳しくは令和5年 国立劇場のお正月)
尾上菊五郎の一座が彩る最後の初芝居を、たっぷりとご堪能ください。
【関連トピックス】
◇舞台写真を公開しました! みどころはこちら
◇令和5年 国立劇場のお正月
◇令和5年初春歌舞伎公演の客席販売と大向う試行のお知らせ
◇水引・お香ワークショップ開催!
\チケット好評販売中/
国立劇場チケットセンターはこちら ≫
