歌舞伎公演ニュース

2018年11月22日

【初春歌舞伎】
尾上菊五郎、中村時蔵、尾上松緑、尾上菊之助が
公演への意気込みを語りました

 平成31年の幕開けを飾る初春歌舞伎公演『姫路城音菊礎石(ひめじじょうおとにきくそのいしずえ)』。
 原作となる『袖簿播州廻(そでにっきばんしゅうめぐり)』は、並木五瓶の傑作で、安永8年(1779)の初演は好評を博して約3ヶ月にわたって上演されました。その後、平成3年3月国立劇場での212年ぶりの復活が話題となりました。今回は原作を活かしながら、新たに台本を補綴し、初春にふさわしい華やかさと娯楽性に富んだ舞台をご覧いただきます。
 公演に先立ち、尾上菊五郎、中村時蔵、尾上松緑、尾上菊之助が意気込みを語りました。



(左より)尾上菊之助、中村時蔵、尾上菊五郎、尾上松緑


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尾上菊五郎
(印南内膳)

 平成最後のお正月を吉例の通り、いつものメンバーで開けられることを嬉しく思っております。
 ここ何年も初春公演に出演し、色々な趣向を工夫してきました。お客様もそれを期待していらっしゃる方が本当に多く、これがなかなか辛いところです(笑)。今度はまた違う趣向を考えて、お客様をあっと驚かせられるように、そして、いつものように初春歌舞伎らしく、明るく楽しくテンポアップした、わかりやすい歌舞伎を創っていきたいです。
 毎年、12月はお芝居をお休みして初春のお芝居に取り組んでいて、“物を創るしんどさ”を味わっています。復活物には、今まで歌舞伎を勤めてきて蓄積された“引き出し”を開けながら、仲間で一つのお芝居を創っていく楽しさと苦しさがあります。
 お客様に楽しんでいただけるようなアイディアを考えていますので、ぜひご期待ください。



  

中村時蔵
(碪の前)

  姫路城城主・桃井(もものい)家の後室碪の前(きぬたのまえ)を勤めます。「姫路城に妖怪が出る」と噂を流し、退治に来る強者を集めて、お家再興を図るという役です。
 例年通り、なにか面白いことができないかなと考えながら、いつものメンバーで、稽古から楽しくお芝居を創っていきたいです。面白く、楽しい歌舞伎ができあがると思いますので、どうぞみなさんご期待ください。
 私は昭和最後の国立劇場の初芝居にも出ておりまして、それから30年、平成最後の初芝居に出られるのは感無量です。この30年間にいろんな役を勤めたな、色々なことがあったな、と感慨深いです。新しい元号となる、再来年の1月も国立劇場で迎えられたらと思っております。



尾上松緑
(古佐壁主水・百姓平作実ハ与九郎狐)

 与九郎狐(よくろうぎつね)は、以前(五代目中村)富十郎のおじ様が勤められた役ということで、それをベースに役作りをしていきます。菊五郎のお兄様から、『義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)』の狐忠信(きつねただのぶ)を稽古していただいたこともありますので、狐と人間の違いをどう出せるかを考えて役を創っていきます。
 姫路城は、白い天守閣で綺麗なお城というイメージもありますが、泉鏡花の作品など、妖怪やお化けにまつわるエピソードも多いお城です。そういうところもお芝居に絡めて話を練っていけるのではと考えております。
 今回は菊之助さんと夫婦の役です。兄弟、恋人、敵同士、さらには親子と、様々な役を一緒にやっていますから土台もできていて、稽古に入ればすっとその役に入れるという感覚があります。二人でじっくりとお芝居をするのは久しぶりですので、僕自身楽しみにしています。



  

尾上菊之助
(主水女房お辰・小女郎狐)

  並木五瓶は、国立劇場で昨年12月に出演した『隅田春妓女容性(すだのはるげいしゃかたぎ)』の作者です。台詞のリズムよりも、内面の感情を大事にしたお芝居を創らないと成立しないだろうと考えています。
 今回のお芝居は、恩を感じる狐が忠義を果たすお話です。人間よりも哀れみを知っている生類として、恩義に報いようとする気持ちや夫婦の情愛をどのように出していくかが、今回の課題になると思います。情愛の深い狐の内面を大事にしたいです。
 1月といえば、様々な趣向を凝らして、お客様にわかりやすく、歌舞伎の魅力を伝える公演を志して、一生懸命勤めてまいりました。平成はピリオドとなりますが、次の元号へのスタートと捉えて、今回の公演を大成功させたいと思っています。


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 面白い趣向や演出が盛り込まれた初春歌舞伎公演『姫路城音菊礎石』。内膳の忠臣ぶりに仕組まれたどんでん返し、姫路城の天守で繰り広げられるミステリー、悪者に追い詰められる平作・お辰夫婦の苦悩、与九郎狐と小女郎狐の悲劇など、物語の全篇が意外性に溢れた展開で描かれており、最後の最後まで舞台に惹き付けられます。
 毎年ご好評をいただいている鏡開きや手拭いまきをはじめ、お正月ならではのおもてなしで皆様をお迎え致します。ご来場を心よりお待ちしております。


初春歌舞伎公演は、1月3日(木)から27日(日)まで
12時開演 但し、11日(金)・18日(金)は午後4時開演 

チケットは12月6日(木)午前10時より予約開始
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