歌舞伎公演ニュース

2021年10月2日

【10月歌舞伎公演】

『通し狂言 伊勢音頭恋寝刃』

本日開幕、26 日まで!

(舞台写真あり)

 国立劇場開場55周年を迎えた10月歌舞伎公演は、『伊勢音頭恋寝刃』を通し狂言として上演しています。旅情あふれる伊勢の名所や風物を背景に、妖刀「青江下坂(あおえしもさか)」を軸とした物語が繰り広げられます。
 中村梅玉が当たり役の福岡貢を、円熟した至芸で演じているのをはじめ、中村時蔵、中村又五郎、中村扇雀ほか多彩な顔触れでお楽しみいただきます。

◆◆◆

 伊勢の内宮と外宮を結ぶ参道にある相の山。阿波国の家老の息子・今田万次郎(中村扇雀)は、将軍家へ献上する名刀「青江下坂」を入手するため伊勢に滞在したものの、遊女・お岸(中村莟玉)に心を奪われ、放蕩を続けています。万次郎のおおらかな若旦那ぶりが印象的です。


序幕第一場「伊勢街道相の山の場」
[左より]油屋お岸(中村莟玉)、
今田万次郎(中村扇雀)ほか

 家来の奴林平(中村萬太郎)に諫められた万次郎は、手に入れた刀を茶屋への支払いに窮して質入れしたことを明かします。そこに現れた御家横領を目論む謀反人の一味・徳島岩次実ハ藍玉屋北六(片岡市蔵)の罠にかかり、刀の折紙(鑑定書)までも……!


序幕第一場「伊勢街道相の山の場」
徳島岩次実ハ藍玉屋北六(片岡市蔵)、
奴林平(中村萬太郎)、
今田万次郎(中村扇雀)ほか

 お伊勢参りの道沿いにある妙見町の宿屋。万次郎の家来筋で伊勢の御師(おんし/神官の一種)である福岡貢(中村梅玉)は、万次郎の伯父で神領を支配する長官・藤浪左膳(中村又五郎)から刀の探索を頼まれます。
 武家の生まれながら御師として育った貢は“ぴんとこな”(柔らかみの中に芯の強さを持つ役柄)として演じられ、“つっころばし”(柔弱で滑稽味を帯びた色男の役柄)の万次郎とは対照的に筋が一本通った様子を見せます。また、左膳は思慮深く風格のある捌き役として登場します。


序幕第二場「妙見町宿屋の場」
奴林平(中村萬太郎)、
福岡貢(中村梅玉)、
今田万次郎(中村扇雀)、
藤浪左膳(中村又五郎)

 その後、悪事の密書をめぐって滑稽なやり取りが軽快に展開します。伊勢の観光名所「二見ヶ浦の夫婦岩」の夜明けの風景や、暗闇の中で探り合う歌舞伎ならではの“だんまり”の演出も見どころです。


序幕第五場「二見ヶ浦の場」
福岡貢(中村梅玉)ほか

 万次郎を探して遊廓・油屋にやって来た貢は、仲居万野(中村時蔵)に意地悪く邪魔立てされます。そこへ現れた料理人喜助(中村又五郎)は貢から刀を預かり、自らの素性を密かに打ち明けます。


二幕目第一場「古市油屋店先の場」
仲居万野(中村時蔵)、
福岡貢(中村梅玉)、
料理人喜助(中村又五郎)

 恋仲の遊女お紺の代わりに現れたお鹿(中村歌昇)は、貢に言い寄り、純朴で哀れな恋心をのぞかせます。


二幕目第一場「古市油屋店先の場」
油屋お鹿(中村歌昇)、
福岡貢(中村梅玉)、
油屋お紺(中村梅枝)

 後から現れたお紺(中村梅枝)は貢の不実をなじり、計略のために岩次になりすましている北六と、北六と名乗っている徳島岩次(坂東秀調)も貢を辱めます。万野の企みで追い詰められ、次第に激昂していく貢の様子が巧みに描き出されます。また、本心を隠したお紺の愛想尽かしも見どころです。哀感漂う胡弓の音色がこの場を一段と盛り上げます。


二幕目第一場「古市油屋店先の場」
仲居万野(中村時蔵)、
福岡貢(中村梅玉)ほか

 クライマックスでは、「青江下坂」の妖力に魅入られた貢がとうとう……! 凄惨な場面が歌舞伎ならではの様式美で表現されます。


二幕目第一場「古市油屋店先の場」
福岡貢(中村梅玉)

◆◆◆

 今に残る伊勢の観光名所や当時の風物が興趣を添え、伊勢めぐりを体感できるお芝居です。芸術の秋に、旅情あふれる名作を心ゆくまでご堪能ください。
 なお、公演期間中は劇場ロビーで、妖刀「青江下坂」のモデルとなった「葵紋康継(あおいもんやすつぐ)」(葵下坂/あおいしもさか)を特別に展示するほか、伊勢の魅力を紹介するお楽しみも!
 感染症対策を徹底して、皆様のご来場をお待ちしております。

【関連トピックス】
名刀「葵下坂」が国立劇場に!
香×歌舞伎「和に親しむ休日プラン」開催!
中村梅玉、中村時蔵、中村又五郎が意気込みを語りました!
サントリー美術館・刀剣博物館との提携割引を実施! 

◆◆◆

10月歌舞伎公演『通し狂言 伊勢音頭恋寝刃』は、
26日(火)まで!
※8日(金)、18日(月)は休演


チケット好評販売中!
国立劇場チケットセンターはこちら ≫