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歌舞伎公演ニュース

2026年5月14日

6月歌舞伎鑑賞教室

『仮名手本忠臣蔵』五段目・六段目

中村芝翫、中村橋之助が
意気込みを語りました!

 国立劇場6月歌舞伎鑑賞教室は、『仮名手本忠臣蔵』五段目・六段目を上演します。サンパール荒川での開催は今回で3度目となります。

 公演に先立ち中村芝翫・中村橋之助が意気込みを語りました!


左より中村はしのすけ、中村しかん

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意気込みを語る中村しかん
中村芝翫
(Bプロ:早野勘平/Aプロ:原郷右衛門)

 6月歌舞伎鑑賞教室では、三大名作のひとつ『仮名手本忠臣蔵』の五段目・六段目で、早野勘平と原郷右衛門を勤めさせていただきます。

 五・六段目は演出も大変優れていて、勘平の心理などは本当に歌舞伎とは思えないほどリアルに描かれています。特に五段目の猪と定九郎を間違えて撃ってしまうあたりは、花道の出から火縄をグルグルと回して、その明かりを頼りに進むと、それが消えてしまって……といった、ほとんどセリフのない状況が続きます。そこから六段目の腹切りに至るまでの無駄のない心理描写や、気持ちに合わせた動きなど、隙のない演出は本当によくできています。

 勘平は、縞の財布を見てから、血を吐くような思いになります。「とんでもないことをしてしまった」とどんどん精神的に追い込まれ、逃げ道がなくなり、八方塞がりになって腹を刀で突いてしまう。演じる側としてはここが一番大変なところです。勘平に起こる悲劇をお客様にうまく伝えたいと思っています。

 今回は、長男の橋之助とダブルキャストで勤めます。2年前、令和6年7月歌舞伎鑑賞教室『義経千本桜』では佐藤忠信/源九郎狐でダブルキャストを経験しましたが、今回もお互いを「ライバル視」しながら勤めるつもりです。また、橋之助が五段目の衣裳に、私が昔作った「橋之助格子」の肩入れを使ってくれるそうで、それもすごく嬉しく思います。

 橋之助の指導は中村勘九郎さんにお願いしました。勘九郎さんは脂の乗り切った時ですし、昨年3月の歌舞伎座の通し上演での勘平も素晴らしかったと思います。十八代目中村勘三郎の兄からの教えを、大事に受け取ってもらいたいなと思っています。

最初に市川男寅くんによる『解説 歌舞伎のみかた』もあって、初心者の方にもわかりやすくなっておりますし、二人の息子、福之助・歌之助も斧定九郎・千崎弥五郎をダブルキャストで勤めます。AプロとBプロの両方を見ていただいて、その違いを感じていただければ、さらに面白いのではないでしょうか。

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意気込みを語る中村はしのすけ
中村橋之助
(Aプロ:早野勘平/Bプロ:原郷右衛門)

 早野勘平は、子供のころからずっと夢みていたお役です。お話をいただいた時は、素直にとても嬉しかったです。父は「ライバル視」と話しておりましたが、それは畏れ多いことで、私は今できる等身大の勘平を勤めていきたいと思っております。

 子供の頃、私たち三兄弟はよく「お芝居ごっこ」といって、家で、その月に父が勤めているお役や、将来やりたいお役のモノマネをやっていました。もちろん五・六段目も弟の福之助とずっとマネしていたくらい大好きでした。勘平は役者冥利に尽きる、しどころのたくさんあるお役です。苦しいお役ではあると思いますが、そういう苦しさこそ、役者にとってはすごく楽しいのではないかなと想像しています。私も三十歳ですので、勘平の年齢とも重なるタイミングで勤めさせていただくというのも、非常に嬉しいです。

 また、この五・六段目の勘平は、義理の母との関係性がとても大切になってくるお役です。父からも、「家族ができるこのタイミングで勘平ができてよかったね、すごく心の助けになるぞ。」と話してもらいまして、自分自身の境遇とも重ねながら勤めたいです。

 今回は勘九郎兄さんに教えていただきます。宣伝用写真撮影の時もずっと付いていてくださって、形から、門外不出の小道具の扱い方まで(笑)、一つずつ丁寧に教えていただきました。今月、お稽古していただきますが、それも楽しみにしております。

 歌舞伎鑑賞教室には、多くの学生さんが観に来てくれます。年齢の比較的近い私や福之助、歌之助を見て、「意外と若い人たちが出てるんだ」と興味を持つ取っ掛かりの一つにしてもらいたいです。
 また、父を筆頭に成駒屋一門、弟・福之助、歌之助と共に、こうした一座で出演させていただけることが何より嬉しいです。一ヶ月、一所懸命勤めたいと思っております。

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 歌舞伎鑑賞教室は、毎回趣向を凝らした解説付きで歌舞伎の親しみやすい演目をお楽しみいただける公演です。価格もお手頃で、観劇の手引きやプログラムを無料配布いたします。
 また、中村芝翫・中村橋之助が早野勘平・原郷右衛門を交互出演で演じ、片岡孝太郎がおかるを、中村魁春が一文字屋お才を勤めるほか、主要な役の多くがダブルキャストとなり、配役による違いを味わう絶好の機会です。
 不運に追いつめられる男の悲劇を描いた義太夫狂言屈指の名場面を、ぜひ劇場でお楽しみください。

 平日お忙しい方でもご観劇いただきやすいよう、7日(日)は「大人のための歌舞伎入門」として開催し、特製上演台本を進呈します。

 また、サンパール荒川での公演の後、23日(火)は静岡県コンベンションアーツセンターグランシップで、25日(木)・26日(金)は神奈川県立青少年センター紅葉坂ホールでも公演がございます。

 皆様のご来場をお待ちしております。



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6月歌舞伎鑑賞教室ちらし