歌舞伎公演ニュース

2020年12月8日

【12月歌舞伎公演】

好評上演中、26日(土)まで!(舞台写真あり)

 二部制で上演している12月歌舞伎公演は、各部とも約2時間30分の上演時間で気軽にご鑑賞いただけます。河竹黙阿弥の名作と舞踊作品を、当代を代表する演じ手から清新な若手まで、魅力あふれる好配役でお楽しみいただきます。

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[目次] ※各演目をクリックすると移動します。

【第一部】『三人吉三巴白浪』
【第二部】『天衣紛上野初花-河内山-』 『鶴亀』 『雪の石橋』

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【第一部】

◎『三人吉三巴白浪』 ◎目次に戻る

 節分の夜の大川端(現在の隅田川周辺)。夜鷹のおとせ(坂東新悟)が、昨夜の客が落としていった百両を渡そうと歩いていると、振袖を着た娘・お嬢吉三(中村時蔵)に話しかけられます。お嬢は金を奪っておとせを川に蹴落とし、さらに、物陰から現れた男から脇差を奪って追い払います。可憐な娘姿とは裏腹に、男の本性を顕したお嬢が「月も朧(おぼろ)に白魚の……こいつぁ、春から、縁起がいいわえ」とほくそ笑みます。黙阿弥ならではの小気味いい七五調の名台詞が、聴きどころです。


序幕 「大川端庚申塚の場」
お嬢吉三(中村時蔵)

 一部始終を窺っていたお坊吉三(尾上松緑)に呼び止められ、百両を巡って争っていると、和尚吉三(中村芝翫)が現れて仲裁に入ります。和尚の口利きに二人は納得し、百両は和尚が預かります。同じ吉三の名前を持つことに因縁を感じた三人は、義兄弟の契りを結びます。


序幕 「大川端庚申塚の場」
(左より)お嬢吉三(中村時蔵)、和尚吉三(中村芝翫)、お坊吉三(尾上松緑)

 悪事のために追われる身となった三人の吉三。和尚は、堂守の源次坊(坂東亀蔵)とともに、荒れ果てた寺を預かっています。捕手に見つかった和尚は縄に掛かる覚悟を決めますが、捕手頭の長沼六郎(中村松江)はお坊とお嬢を差し出せば和尚の罪を許そうと言います。
 お坊と再会した和尚は、名刀・庚申丸が盗まれたために零落したお坊の身の上を知ります。さらに、和尚の妹のおとせが、将来を言い交わした手代十三郎(中村萬太郎)とともに和尚を訪ねて来て、父・伝吉が殺されたことを知らせます。


二幕目第一場「巣鴨在吉祥院本堂の場」
(左より)お坊吉三(尾上松緑)、お嬢吉三(中村時蔵)

 思いもよらない因縁が次々と明らかになり、物語は悲劇を迎えます。和尚に対して犯してしまった罪を知り、お坊とお嬢は死を決意しますが、和尚は……!?


二幕目第二場「巣鴨在吉祥院裏手墓地の場」
(左より)伝吉娘おとせ(坂東新悟)、和尚吉三(中村芝翫)、
手代十三郎(中村萬太郎)

 クライマックスの「火の見櫓」では、清元と竹本の情緒ある演奏を背景に、降りしきる雪の中で華麗な立廻りが繰り広げられます。
 序幕から大詰まで、百両の金と名刀・庚申丸を巡って絡み合う因果の物語が、江戸の市井の風俗を生かしながら展開します。歌舞伎の様式美に溢れた黙阿弥の名作をご堪能ください。


大詰「本郷火の見櫓の場」
(左より)お嬢吉三(中村時蔵)、和尚吉三(中村芝翫)、
お坊吉三(尾上松緑)ほか



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【第二部】

◎『天衣紛上野初花-河内山-』  ◎目次に戻る

 ここは質店の上州屋。江戸城の御数寄屋坊主・河内山宗俊(松本白鸚)がやって来て、小さな木刀を質草に金を貸すよう迫り、店の者を困らせます。そこに、女主人である後家のおまき(中村歌女之丞)が現れ、河内山は、大大名の松江家に腰元奉公中の娘が軟禁されていることを聞き出すと、娘を救う工夫があると言ってのけ、破格の礼金を要求します。渋る番頭たちを冷笑する河内山は、店の後見人の和泉屋清兵衛(大谷友右衛門)から手付金を受け取ると、自信たっぷりに請け合って引き上げていきます。したたかで抜け目のない河内山ですが、人間味溢れる愛嬌も感じさせます。


序幕「上州屋見世先の場」
(左より)後家おまき(中村歌女之丞)、和泉屋清兵衛(大谷友右衛門)、
河内山宗俊(松本白鸚)ほか

 松江家の上屋敷では、上州屋の娘の腰元浪路(中村莟玉)が当主の松江出雲守(中村梅玉)の意向に背き、手討ちにされようとしています。近習頭の宮崎数馬(市川高麗蔵)が必死になだめますが、主人の威光を笠に着る北村大膳(松本錦吾)は、数馬と浪路が不義密通をしていると、言い立てます。


二幕目第一場「松江邸広間の場」
(左より)腰元浪路(中村莟玉)、宮崎数馬(市川高麗蔵)、
松江出雲守(中村梅玉)ほか

 思慮分別に富む家老の高木小左衛門(坂東彌十郎)がやって来て主君を諫めます。しかし、出雲守の怒りは、さらに大きくなります。


二幕目第一場「松江邸広間の場」
(左より)高木小左衛門(坂東彌十郎)、松江出雲守(中村梅玉)ほか

 そこへ、上野寛永寺の宮様(門主)の使僧に化けた河内山が乗り込んで来ます。見事高位の僧になりすました河内山は恭しく迎え入れられます。仮病を使った出雲守を面前に引き出した河内山は、上州屋の娘を親元に返すよう、おもむろに切り出しますが……!? 河内山が持ち前のきっぷと度胸を発揮し、出雲守やその家臣を手玉に取り、事を運びます。


二幕目第二場「松江邸書院の場」
(左より)松江出雲守(中村梅玉)、河内山宗俊(松本白鸚)

 しかし、帰りがけ玄関先で、北村大膳に呼び止められます。正体を見破られた河内山は大笑いして「悪に強きは善にもと……」と啖呵を切り、居直り、逆に大膳たちを脅します。悔しそうに見送る主従を尻目に「馬鹿め」と言い放ち、高笑いしながら颯爽と立ち去ります。宮の使いの高僧から悪事に慣れた茶坊主へ、そして、元の高僧へと、言葉も雰囲気もガラリと変わるところや、名だたる大名家の権威をも恐れない名台詞を聞かせるところが痛快な場面です。


二幕目第三場「松江邸玄関先の場」
河内山宗俊(松本白鸚)

 スケールの大きな河内山の胸のすくような活躍が堪能できる、黙阿弥芝居の醍醐味をお楽しみください。



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◎『鶴亀』  ◎目次に戻る

 いにしえの唐土(もろこし、現在の中国)の皇宮で催される新年の節会(せちえ)。千年万年の寿命をもつという鶴(中村福之助)と亀(中村歌之助)が、女帝に長寿を捧げます。感銘を受けた女帝(中村福助)は、天下泰平と五穀豊穣を願って、自らも優雅に舞い始めます。
 まもなく迎える新年の幸を祈るにふさわしい、おめでたい舞踊です。当劇場に7年ぶりに出演する福助が中心となる女帝を勤め、格調高い舞台を典雅に繰り広げます。


女帝(中村福助)


(左より)亀(中村歌之助)、女帝(中村福助)、鶴(中村福之助)



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◎『雪の石橋』  ◎目次に戻る

 雪に覆われた神秘的な清涼山。深い谷の間に自然とできた石橋に、文殊菩薩を守護する霊獣・獅子の精(市川染五郎)が颯爽と現れます。獅子の精は橋の徳を讃えると、吹雪の中、力者たちと立廻りながら勇壮に舞います。咲き誇る冬牡丹と戯れ、長い毛を荒々しく振り、百獣の長にふさわしい風格を見せます。
 26年前に当劇場で父・松本幸四郎も勤めた作品に染五郎が挑みます。若い演者の清新で力強い舞台にご期待ください。


獅子の精(市川染五郎)ほか


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 一年を締めくくるにふさわしい彩りに富む舞台の数々は見逃せません。お求めやすい価格で、初めて歌舞伎をご覧になる方にもオススメです。師走のひと時、ぜひ国立劇場で極上の舞台に酔いしれてください!


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第二部『天衣紛上野初花-河内山-』松本白鸚、『雪の石橋』市川染五郎が意気込みを語りました!

12月歌舞伎公演は26日(土)まで
※ただし、15日(火)は休演
【第一部】午前11時開演 【第二部】午後3時30分開演

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