歌舞伎公演ニュース

2019年12月6日

【12月歌舞伎】

『近江源氏先陣館―盛綱陣屋―』『蝙蝠の安さん』
好評上演中!

 12月歌舞伎公演は、大坂の陣を題材とした時代物の名作『近江源氏先陣館(おうみげんじせんじんやかた)―盛綱陣屋(もりつなじんや)―』と、"喜劇王"チャップリンの映画『街の灯』を歌舞伎化した幻の作品『蝙蝠の安さん(こうもりのやすさん)』を上演しています。『盛綱陣屋』では松本白鸚が28年ぶりに佐々木盛綱を、初演以来88年ぶりの上演となる『蝙蝠の安さん』では松本幸四郎が念願の蝙蝠の安さんを勤めています。
令和元年の掉尾を飾るにふさわしい感動のドラマをお楽しみいただきます。

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◎『近江源氏先陣館―盛綱陣屋―』◎『蝙蝠の安さん』はここをクリック

 時は鎌倉時代。近江国(現在の滋賀県)の大名・佐々木家の盛綱・高綱兄弟は、北條時政を中心とする鎌倉方と、源頼家を中心とする京方との争いで、対立を余儀なくされています。
 鎌倉方の盛綱(松本白鸚)の陣屋に、京方の侍大将・和田兵衛秀盛(わだびょうえひでもり)(坂東彌十郎)が現れます。人質となった高綱の一子・小四郎(こしろう)の返還を巡り、盛綱と和田兵衛が、スリリングな駆け引きを繰り広げます。
 その後、弟が我が子への愛情に迷うのではないか、と心配した盛綱は、大事な人質を自らの手で殺せないため、母・微妙(みみょう)(上村吉弥)に、小四郎へ切腹を勧めるよう頼みます。弟を気遣う盛綱の苦心が浮かび上がります。


佐々木三郎兵衛盛綱(松本白鸚)、和田兵衛秀盛(坂東彌十郎)


佐々木三郎兵衛盛綱(松本白鸚)、盛綱母微妙(上村吉弥)

 高綱の妻・篝火(かがりび)(中村魁春)が小四郎の後を追い、盛綱の陣屋に忍び込み、我が子に宛てた矢文を放ちます。そこへ現れた盛綱の妻・早瀬(はやせ)(市川高麗蔵)が矢文に気付き、返事を射返します。一族ながら敵対関係に置かれた双方の辛い心情が交錯します。


高綱妻篝火(中村魁春)、盛綱妻早瀬(市川高麗蔵)


信楽太郎(松本幸四郎)、佐々木三郎兵衛盛綱(松本白鸚)

 やがて注進の信楽太郎(しがらきたろう)(松本幸四郎)や伊吹藤太(いぶきのとうた)(市川猿弥)が到来し、高綱の討ち死にが伝えられます。時政(坂東楽善)一行が首桶を携えて現れると、盛綱は高綱の首実検を命じられます。緊迫した空気の中、盛綱が首桶の蓋を開けるや否や、首を見た小四郎が「父上」と叫んで、突然切腹します。その直後、首を確かめた盛綱が目の当たりにしたのは……!?


北條時政(坂東楽善)、古郡新左衛門(大谷友右衛門)、
佐々木三郎兵衛盛綱(松本白鸚)、盛綱妻早瀬(市川高麗蔵)、
盛綱母微妙(上村吉弥)ほか

 この首実検を通じて、ある重大な決断を下す盛綱。複雑な心の動きを、無言で細やかに表現する肚芸は、本作最大の見どころです。
 主君への忠義と血族への情愛との間で揺れる盛綱の苦しい胸の内がドラマチックに描かれた、義太夫狂言屈指の名作をご堪能ください。

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◎『蝙蝠の安さん』  ◎『近江源氏先陣館―盛綱陣屋―』はここをクリック

 舞台は江戸両国。その日暮らしの蝙蝠の安さん(松本幸四郎)は、完成した見世物の大仏の上で寝ているところを人々に見咎められます。慌てて逃げ回る安さんの様子がコミカルに描かれます。宙乗りやセリを使った演出も必見です。
 両国橋を通りかかった安さんは、草花売りの娘・お花(坂東新悟)に一目惚れ。目の見えないお花を不憫に思った安さんは、気前よく売れ残った花を全て買い取ります。お花は安さんを金持ちの旦那と勘違いします。


序幕「両国大仏興行の場」
蝙蝠の安さん(松本幸四郎)


二幕目第一場「大川端の場」
蝙蝠の安さん(松本幸四郎)、草花売りの娘お花(坂東新悟)

 妻に先立たれて自暴自棄になった上総屋新兵衛(かずさやしんべえ)(市川猿弥)が身投げしようとするところを、安さんは必死に止めます。友人として新兵衛の屋敷に招かれた安さんは、酒を振る舞われます。しかし、朝になると新兵衛の態度ががらりと変わります。


二幕目第二場「上総屋の奥座敷」
蝙蝠の安さん(松本幸四郎)、上総屋新兵衛(市川猿弥)

 お花を慕って家を訪ねた安さんは、お花の眼病を気遣う大家勘兵衛(かんべえ)(大谷友右衛門)と母娘の会話を耳にします。そこで、安さんがお花の目を治したいために出た行動とは……?


二幕目第三場「八丁堀の長屋の場」
蝙蝠の安さん(松本幸四郎)、娘お花(坂東新悟)、
お花の母おさき(上村吉弥)、大家勘兵衛(大谷友右衛門)


二幕目第四場「奥山の相撲の場」
蝙蝠の安さん(松本幸四郎)ほか

 安さんがお花のために奮闘する様子が、チャップリン映画さながらに描かれています。笑いの中にも人の優しさが心に染みる珠玉の舞台をお楽しみください。


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 師走に送る話題の二作品をどうぞお見逃しなく!

 なお、チャールズ・チャップリン生誕130年を記念して、毎週金曜日と24・25日の夜7時からは“Chaplin KABUKI NIGHT”と銘打ち、『蝙蝠の安さん』を単独上演します。お勤め帰りや初心者の皆様にも、お手頃な料金で気軽にご覧いただけます。この夜の公演に限り、劇場ロビーでチャップリン関連資料の展示を行うほか、クリスマスイブの12月24日とチャップリンの命日に当たる25日の終演後には、記念イベントも開催します。
 クリスマスシーズンに劇場で、素敵なひと時をお過ごしください。

Chaplin KABUKI NIGHT関連イベント情報はこちら


映画『街の灯』より




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Charlie Chaplin TM © Bubbles Incorporated SA 2019
Produced in cooperation with the Chaplin Society of Japan.
(『蝙蝠の安さん』協力=日本チャップリン協会)


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