歌舞伎公演ニュース

2018年10月19日

【12月歌舞伎】
中村吉右衛門が意気込みを語りました

 12月歌舞伎公演は『通し狂言 増補双級巴(ぞうほふたつどもえ)―石川五右衛門(いしかわごえもん)―』を上演します。
 大盗賊・石川五右衛門の活躍を描いた「石川五右衛門」物の先行作『釜淵双級巴(かまがふちふたつどもえ)』や『木下蔭狭間合戦(このしたかげはざまかっせん)』等の名場面を、創作場面と併せて繋ぎ合わせ、五右衛門の生涯を綴った物語です。初代中村吉右衛門は本作の五右衛門をたびたび演じていますが、今回は初代吉右衛門の上演台本等を基に〈通し狂言〉として新たに補綴しました。50年ぶりの上演となる「五右衛門隠家」を中心に、70年ぶりの「壬生村」や90年ぶりの「木屋町二階」の復活にも、大きな期待が寄せられます。
 上演に先駆け、中村吉右衛門が意気込みを語りました。


中村吉右衛門


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中村吉右衛門
(石川五右衛門)

 今回の『増補双級巴』は、初代吉右衛門が何度も勤めた所縁ある作品です。初代の残した型を再現するつもりで勤めます。共演者の方々と力を合わせて、五右衛門とその家族たちの喜びや悲しみを感じていただける芝居にしたいですね。
 今回50年ぶりの上演となる「五右衛門隠家」、通称“継子責め”の場面は、初代が芸談で「名人(四代目市川)小団次の型で演じる」と語っているように、播磨屋としては一番の眼目となるところです。島原の元遊女のおたきと五右衛門、共に実の親の顔を知らないという似た境遇の二人が寄り添って夫婦生活を送る中、おたきがなぜか五右衛門の先妻の子・五郎市に辛く当たる……。互いに思いやりがあるゆえに起こる悲劇は、実生活の中でも有り得ることではないでしょうか。「ああ、そうだな」と思って涙していただければと思っております。
 五右衛門は義賊ではありませんが、権力や財力を持てる者から奪い、多くの家来や子分たちに分け与えたそうで、そこが今でも五右衛門の人気がある理由でもあり、それだけの魅力を持った男性であったのではないでしょうか。この作品では、五右衛門の人間らしさ、親子の情や女房への情が描かれていますが、スケールが小さくなってしまわないよう役を創っていきたいです。
 今回は“葛籠抜け”の宙乗りもありますし、90年ぶりに復活する「木屋町二階」では、(尾上)菊之助くんが演じる久吉が登場して、『金門五山桐(きんもんごさんのきり)』の「南禅寺山門」を世話風に仕立てたパロディーもございます。他の作品にはあまり見られない趣向ですので、お客様にも大いに喜んでいただけると思います。

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 盗賊としての痛快な活躍だけでなく、五右衛門の家族への情愛や胸中の葛藤に焦点を当てた人間ドラマが描かれる『通し狂言 増補双級巴 ―石川五右衛門― 』。周囲を彩る登場人物にも好配役が揃いました。平成30年の掉尾を飾る必見の舞台にご期待ください。

12月歌舞伎公演は、3日(月)から26日(水)まで
12時開演
但し、13日(木)は午後4時開演

チケットは11月6日(火) 午前10時予約開始!
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