歌舞伎公演ニュース
2024年11月22日
初春歌舞伎公演
国立劇場のお正月、通し狂言で『彦山権現誓助剣』を上演!
おなじみ尾上菊五郎劇団を中心とした初春歌舞伎公演!
来る令和7年の正月も、人間国宝の尾上菊五郎を座頭に、人気と実力を兼ね備えた一座の俳優が勢揃いします。令和7年5月に八代目尾上菊五郎の襲名を控える菊之助にとって、現在の名跡で国立劇場に出演するのは今回が最後です。
さらに菊五郎の孫世代も一挙出演し、立廻りで大活躍!新しい年の歌舞伎を華々しく盛り上げます。
発端から大詰までの通し狂言で本格上演!
『彦山権現誓助剣』は、天明6年(1786)閏10月に人形浄瑠璃として初演された作品。豊前国・彦山の麓に暮らす青年の毛谷村六助が、剣術の師である吉岡一味斎の娘のお園とともに、師の敵である京極内匠を討つまでを描いた全十一段の長編で、豊臣秀吉(劇中では真柴久吉)の朝鮮出兵や明智光秀の遺児による復讐というスケールの大きな構想を背景とした超大作です。
『彦山権現誓助剣』の中でも心温まる名場面として有名な「毛谷村」は、たびたび上演される人気演目です。しかし、他の場面が上演される機会は少なく、戦後に本作が通しで上演されたのは、昭和42年10月と平成14年12月の国立劇場、平成23年2月の大阪松竹座の3回のみ。東京では22年ぶりの通し上演、仇討ちの完結までお見せするのは実に58年ぶりです。他所では滅多に見られない、貴重な通し上演です。一味斎が六助に剣術の極意を授ける「彦山権現山中」や内匠が一味斎を闇討ちにする「郡家城外」、お園が仇討ちに出立する「一味斎屋敷」、お園と内匠が一騎討ちを繰り広げる「瓢箪棚」など、「毛谷村」では描かれない仇討ちの全容が明らかとなります。
『彦山権現誓助剣』の主人公で、心優しく武術の力量に優れた青年の毛谷村六助を初役で勤めるのは尾上菊之助。六助は、菊之助の岳父・二代目中村吉右衛門がたびたび演じた当たり役で、父・菊五郎も勤めています。
また、本作のヒロインで六助の許嫁である一味斎姉娘お園を中村時蔵が、吉岡家と六助にとっての憎き敵・京極内匠を坂東彦三郎が、ともに初役で勤め、新たな時代の幕開きを予感させます。
そして、尾上菊五郎は、御大将・真柴大領久吉として大詰に登場し、物語を締めくくります。
坂東楽善、中村又五郎らベテランから、坂東亀三郎、尾上丑之助、尾上眞秀、中村梅枝、中村種太郎、中村秀之介といったかわいらしい孫世代まで、多彩な出演陣の融合も見逃せません。
(毛谷村六助:尾上菊之助)
(京極内匠:坂東彦三郎)
(一味斎姉娘お園:中村時蔵)
歌舞伎らしい趣向にあふれた名作を、国立劇場ならではの分かりやすい通し上演でお楽しみいただける、歌舞伎通の方にも歌舞伎初心者の方にもおすすめの舞台です!
国立劇場の正月におなじみの豪華な顔ぶれで、令和7年の初芝居を心行くまでお楽しみください。
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チケットは12月13日(金)より発売!