歌舞伎公演ニュース
2025年11月21日
初春歌舞伎公演『鏡山旧錦絵』
七代目尾上菊五郎、
八代目尾上菊五郎、
坂東彌十郎、中村時蔵
が意気込みを語りました!
令和8年の初春歌舞伎公演は、17年ぶり待望の上演となる通し狂言『鏡山旧錦絵』を、新国立劇場中劇場で上演いたします。
公演に先立って、七代目尾上菊五郎、八代目尾上菊五郎、坂東彌十郎、中村時蔵が意気込みを語りました!
七代目尾上菊五郎
(源頼朝)
女方が主体のこのお芝居で、源頼朝を勤めます。この仇討ち物語の最後を締めくくる大詰の「頼朝花見の場」で明るく賑やかに、令和8年もいい年になるように願いながら勤めたいです。
父の七代目梅幸は尾上の雰囲気ではなかったですし、松緑のおじさん(二代目尾上松緑)も岩藤という雰囲気ではなかったので、尾上菊五郎劇団で『鏡山』を取り上げる機会はなく、これまでは縁遠かった演目の一つです。私も50歳近くになってから、初めてお初を勤めさせていただきました。彌十郎君が、「岩藤教えてください」って言うので、「やったことないよ」って言ったら、「やってますよ」って(笑)。今回の一座が新しい感覚を持って、この『鏡山』を作り上げてもらえたら嬉しいです。
八代目尾上菊五郎
(召使いお初)
八代目菊五郎となりまして、初めての国立劇場公演への出演、そして20年ぶりにお初を勤めさせていただくということで、とても身の引き締まる思いです。「働いて、働いて、働いて、働いて」まいる忠義一途なお初を勤めたいと思っております。
『鏡山』は「女忠臣蔵」とも言われておりますけれども、お初は忠臣蔵の中では寺岡平右衛門のような役でしょうか。尾上のために忠義一途、そして尾上に対する憧れを持って仕えている人です。その日本の古き良き“主と従”、そして“孝”の関係を、より鮮明に描きたいです。
今年の5月に菊五郎を襲名いたしまして、本当に多くの方々のご声援、お力添えを頂戴して、舞台に立たせていただいております。
歴代の菊五郎が作ってきた「菊五郎」という名前の重みを日々感じています。「菊五郎」という名前をさらに大きく、そして、歌舞伎の魅力をより多くのお客様に伝えられるように、一層研鑽していきたいと思っております。
坂東彌十郎
(局岩藤)
令和8年のお正月を、こうして局岩藤のお役で迎えられますこと、気の引き締まる思いで、とても緊張しております。こんな大役をお正月にさせていただく、本当に来年は素晴らしい年になり、いい古希を迎えられるな、と思っております。私が今まで学んできたこと全てをかけて、舞台に立たせていただきます。
この『鏡山』は、若い頃からよく拝見していましたが、出演させていただくのは今回が初めてです。岩藤の扮装を撮影した時も、中村屋のおじさん(十七代目中村勘三郎)、二代目中村鴈治郎のおじさん、河内屋のおじさん(三代目實川延若)など先輩方が勤めていた岩藤を思い浮かべていました。皆様に「彌十郎にしなきゃよかった」と言われないように、全身全霊をかけて臨みます。
「女忠臣蔵」ということで、敵討ちのためには、敵が憎たらしくなければなりません。精一杯憎く恨まれるように勤め、いかに憎たらしくできるかで、八代目(菊五郎)さんのおっしゃった、“忠・孝”というものが際立つのだと思います。私の持てる憎さを全て出したいです。
中村時蔵
(中老尾上)
私にとって『鏡山』は憧れの舞台、尾上は憧れの役でございます。死ぬまでに必ず一度は勤めたいと思っておりました。今回17年ぶりの上演ということで、ひょっとしたらもう一生やらないんじゃないかとも思っておりましたが、令和8年の年明けから、父(中村萬壽)も勤めた憧れの役を勤めさせていただけるのが本当に嬉しいです。
尾上は、岩藤やお初と違い、町人階級の出身です。だからこそ、武家社会に勤める女性はこうでなくてはならない、と武家で育ってきた女性よりも強い思いがあるのでは、と考えています。そういうある意味で隙のない女性だからこそ、草履で打たれるその屈辱が死に繋がっていくのではないでしょうか。
『忠臣蔵』ですと、尾上は塩冶判官のような役です。四段目の、塩冶判官の切腹の場で、由良之助と赤穂浪士たちがその無念を晴らすために動き始めますが、それを赤穂浪士だけではなくお客様にも感じ取っていただいて、お客様も赤穂浪士の一員となって仇討ちに向かっていく……尾上もやはりその感覚と同じで、お客様もお初と一緒に仇討ちに進んでいけるような作り方をしたいなと思っております。
今年も人間国宝の七代目尾上菊五郎を座頭に、八代目尾上菊五郎、坂東彌十郎、中村時蔵ら人気と実力を兼ね備えた出演者が集います。頼朝御台所政子として花を添える中村魁春をはじめ、市村萬次郎、河原崎権十郎、片岡亀蔵といったベテランから、坂東彦三郎、中村萬太郎、中村玉太郎といった次世代を担う花形まで、多彩な俳優たちの競演をお見逃しなく!
毎年恒例の手ぬぐいまきもございます。国立劇場おなじみの初芝居をお楽しみください。
皆様のご来場をお待ちしております。
\チケットは、12月13日から販売開始/
国立劇場チケットセンターはこちら ≫
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