歌舞伎公演ニュース

2018年11月6日

【11月歌舞伎】『通し狂言 名高大岡越前裁』好評上演中!

 3日(土・祝)、11月歌舞伎公演『通し狂言 名高大岡越前裁(なもたかしおおおかさばき)』の幕が開きました。
 八代将軍徳川吉宗の治世に江戸南町奉行を勤め、名奉行として名高い大岡越前守忠相。庶民の人気を背景に、大岡が優れた裁定で様々な難事件を解決する物語「大岡政談」が創作され、大岡の颯爽とした名裁きが描かれました。
 11月歌舞伎公演は、「天一坊事件」を題材にした河竹黙阿弥の名作『扇音々大岡政談(おうぎびょうしおおおかせいだん)』を新たに補綴し、大岡が生涯最大の危機に直面しながら、稀代の悪計に立ち向かう姿を描いた通し狂言として上演しています。

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 紀州平野村感応院の小坊主・法沢(市川右團次)は、隣村の老女・お三(中村歌女之丞)から、亡くなった孫が将軍のご落胤であったという話を聞き、邪心を抱いてお三を殺害します。善良な青年が、ふとしたきっかけで後に天下を揺るがす悪人へと変わる、その変貌ぶりがみどころです。
 お三に続き、師匠・感応院まで手にかけた法沢は、自分も殺されたように見せかけ、姿をくらまします。この場面が事件解決の糸口へと繋がります。


序幕  第一場「紀州平沢村お三住居の場」
序幕 第一場「紀州平沢村お三住居」
法沢(市川右團次)

 二幕目「美濃長洞常楽院本堂」では、将軍のご落胤になりすました法沢が本性を顕す件や、後に最強の参謀となる元関白家の家来・山内伊賀亮(坂東彌十郎)との出会い、そして“天一坊”の誕生が描かれます。法沢を偽者と見抜く伊賀亮の頭脳明晰さ、自らが偽物であることを赤裸々に告白する法沢の豪胆さが印象的です。


二幕目「美濃長洞常楽院本堂の場」
二幕目 「美濃長洞常楽院本堂の場」
(左より)山内伊賀亮(坂東彌十郎)、法沢後ニ天一坊(市川右團次)


 江戸で老中の調べを受けて誠のご落胤と決まった天一坊ですが、唯一、南町奉行・大岡越前守忠相(中村梅玉)だけは不審を抱き、再吟味を願います。しかし、将軍の不興を買い、謹慎を命じられます。大岡は、水戸藩主・徳川綱條(坂東楽善)に再吟味の執り成しを願うため、家臣らとともに知恵を絞り、厳しい監視の目をくぐり抜けようとします。今回の三幕目に当たる場面は、昭和47年(1972)3月の国立劇場所演以来46年ぶりの上演です。


三幕目  第一場「大岡邸奥の間の場」
三幕目 第一場「大岡邸奥の間の場」
(左より)大岡越前守忠相(中村梅玉)、大岡妻小沢(中村魁春)


三幕目  第三場「小石川水戸家奥殿の場」
三幕目 第三場「小石川水戸家奥殿の場」
(左より)大岡越前守忠相(中村梅玉)、徳川綱條(坂東楽善)


 「南町奉行屋敷内広書院」で大岡と天一坊が相対します。貴人の使う網代駕籠に天一坊が乗ることの是非を巡り、大岡と伊賀亮が激しい議論を交わします。“網代問答”と呼ばれる大岡の鋭い追及と伊賀亮の巧みな反論による舌戦は、緊迫感に溢れています。黙阿弥ならではの流麗な台詞の応酬をお楽しみください。

四幕目「 南町奉行屋敷内広書院の場」
四幕目「南町奉行屋敷内広書院の場」
(左より)山内伊賀亮(坂東彌十郎)、大岡越前守忠相(中村梅玉)、
天一坊(市川右團次)


 決定的な証拠をつかむことができず、窮地に立たされる大岡。天一坊の素性を探るため紀州に向かわせた家臣の報告を待ち侘びますが……。切迫した状況の中、命を賭けた大岡の並々ならぬ想いと、妻・小沢(中村魁春)、嫡子・忠右衛門(市川右近)との情愛が描かれます。


五幕目「大岡邸奥の間庭先の場」
五幕目「大岡邸奥の間庭先の場」
(左より)大岡妻小沢(中村魁春)、大岡一子忠右衛門(市川右近)、
大岡越前守忠相(中村梅玉)、池田大助(坂東彦三郎)


大詰「大岡役宅奥殿の場」
大詰「大岡役宅奥殿の場」
(左より)天一坊(市川右團次)、吉田三五郎(市川男女蔵)、
大岡越前守忠相(中村梅玉)

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 名奉行・大岡越前は、果たして最大の危機を乗り越えられるのか……!? 天下の〝大岡裁き〟に、どうぞご期待ください。

11月歌舞伎公演は、26日(月)まで 11時開演

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