歌舞伎公演ニュース

2021年10月7日

【11月歌舞伎公演】

『一谷嫩軍記』



中村鴈治郎、中村芝翫が意気込みを語りました!

 国立劇場開場55周年記念の11月歌舞伎公演は、一の谷の合戦を題材とした義太夫狂言の名作『一谷嫩軍記(いちのたにふたばぐんき)』をご覧いただきます。49年ぶりの「御影浜浜辺」からの上演で、名作の醍醐味がより深く、より面白く楽しめる構成です。古風で豪快な《芝翫型》の熊谷に期待が高まります。
 公演に先立ち、白毫の弥陀六実ハ弥平兵衛宗清を勤める中村鴈治郎、熊谷次郎直実を勤める中村芝翫が意気込みを披露しました。


[左より]中村芝翫中村鴈治郎

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中村鴈治郎
(白毫の弥陀六実ハ弥平兵衛宗清)

 弥陀六を初役で勤めます。自分もこういう役をやらせていただくようになったんだなぁ、と感慨深いものがあります(笑)。

 今回は、序幕で「御影浜浜辺の場」を上演します。弥陀六はなぜ石屋として「熊谷陣屋」に登場するのか、敦盛の形見の青葉の笛はどうして藤の方の手に渡ったのか、そして、弥陀六はどうして熊谷の陣屋に入り込むことができたのか……こうしたことが、この場をご覧いただくことでよく分かります。それぞれの役者がテンポの良いセリフ回しで演じ、面白く、分かりやすく皆さんに観ていただければと思っています。

 二幕目の「熊谷陣屋」は、相模と藤の方がやって来る“入り込み”から上演します。「御影浜」を上演することと合わせ、藤の方がここに逃げてくることなどが描かれ、「熊谷陣屋」の登場人物たちが同じ場所に居合わせることになった経緯が明らかになります。

 先日撮影した扮装写真を先ほど初めて見ましたが、化粧をしたらこうなるのか、となんとなく面映ゆいですね。弥陀六は、様々な複雑なものを抱えて石屋になっているし、平家への思いも肚(はら)として持っています。人の性根というものもすべて含めて、うまく演じられたらと思います。

 「陣屋」の熊谷は、今回、いわゆる《芝翫型》での上演です。よく上演される《団十郎型》とは違う派手な演出で、私も《芝翫型》の舞台は初めてですし、国立劇場での上演も初めてです。その舞台に一緒に出られることはとても嬉しいですし、芝翫さんと一緒に盛り上げられたらいいなと思っています。

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中村芝翫
(熊谷次郎直実)

 国立劇場開場55周年ということですが、国立劇場と私はほぼ同世代で、私の初舞台も国立劇場でした。芝翫の襲名披露で勤めた熊谷を、襲名から5年という節目に、またこうして大きな舞台で勤めさせていただくのを、とても感謝しています。今回は、「熊谷陣屋」で普段カットされてしまう“入り込み”という冒頭の部分から上演します。まず相模が陣屋に来て、その後、藤の方、そして御影浜で捕らえられた弥陀六がやって来るところをご覧いただくことによって、この壮大な物語がはっきりとお分かりいただけると思います。

 《芝翫型》は、本行(原作の人形浄瑠璃)に沿っていて物語に無理がないですし、幕切れも「引っ張りの見得」で、よく上演される《団十郎型》の幕外の引っ込みとは違います。「引っ張りの見得」で終わると、熊谷の“志半ば”という思いがよく伝わってきますし、ご覧になっているお客様にも余韻が残る気がします。

 《芝翫型》の熊谷の衣裳は黒ビロードの着付けに赤地錦織物の裃と、とても派手ですが、今回はこの衣裳で前半を演じ、後半は衣裳を変えさせていただこうと思っています。また、《芝翫型》と言っても実質的には熊谷の違いだけですが、たとえば相模にも少し変えたらいいところがあるかもしれませんので、相模役の(片岡)孝太郎さんともよく相談しながら、初心に立ち返って新しい思いで舞台に臨めたらと思います。

 息子の(中村)橋之助は堤軍次で出演します。きっと彼も、いつかは《芝翫型》の熊谷を勤めたいという志を持って舞台に立つのではないかと思います。また、甥の(中村)児太郎は藤の方を勤めます。私の父(七代目中村芝翫)が大切にしていた役で、兄(中村福助)に教えを乞うのではないでしょうか。若い二人の活躍も楽しみです。

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 弥陀六の石塔や、敦盛の形見の青葉の笛など、謎に満ちた物語の意外な真相を劇場でお楽しみください。
 なお、金曜夜の部は限定イベントを開催します。開演前(4時45分~)に中村橋之助がお芝居の見どころ等について分かりやすくお話しします。また、珍しい「御影浜浜辺の場」の通称「宝引(ほうびき)」にちなみ、くじ引きで劇場グッズが当たるお楽しみも!
 感染症対策を徹底して、皆様のご来場をお待ちしております。

11月歌舞伎公演『一谷嫩軍記』は
11月2日(火)初日、25日(木)まで!
※10日(水)・18日(木)は休演

チケットは10月13日(水)発売!
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