歌舞伎公演ニュース

2020年10月7日

【10月歌舞伎公演】

好評上演中、27日(火)まで!
(舞台写真あり)

 国立劇場では10月より待望の歌舞伎公演を二部制で再開しました。各部とも30分休憩を含む約2時間30分の上演時間で、気軽にご鑑賞いただけます。時代物、世話物の名作と舞踊作品を上演しています。
 芸術の秋に、歌舞伎の醍醐味を心ゆくまでお楽しみください。

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[目次] ※各演目をクリックすると移動します。

【第一部】『ひらかな盛衰記―源太勘当―』 『幸希芝居遊』
【第二部】『新皿屋舗月雨暈―魚屋宗五郎―』 『太刀盗人』

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【第一部】

◎『ひらかな盛衰記―源太勘当―』 ◎目次に戻る

 源頼朝の重臣・梶原景時は、長男の源太景季を連れて出陣しています。
 景時の屋敷では、局の錦木(中村歌女之丞)と腰元たちが歌かるたに興じながら、源太・平次兄弟の噂をしています。そこへ平次(松本幸四郎)が現れ、源太を慕う腰元の千鳥(中村扇雀)に言い寄ります。平次は、実は仮病で屋敷に残り、兄の留守中に千鳥を我がものにしようと企んでいたのでした。折しも、父が母に宛てた書状が届き、その内容が佐々木高綱との先陣争いに敗れた源太に切腹を命じるものと知った平次は、千鳥も家督も手に入ると喜びます。兄を憎み、悪知恵を巡らせる平次ですが、千鳥に素っ気なく振られるなど、どことなく愛嬌も感じさせます。


腰元千鳥(中村扇雀)、梶原平次景高(松本幸四郎)

 やがて源太(中村梅玉)が屋敷に颯爽と登場します。母の延寿(中村魁春)に帰館の理由を問われた源太は、父からは何も聞かされていないと言い、平次にせがまれて戦の様子を語り始めます。粗野な平次とは対照的に、「鎌倉一の風流男」と謳われる源太の優美な姿に気品が漂います。


梶原源太景季(中村梅玉)、母延寿(中村魁春)

 その後、平次が源太の話を遮り、源太が先陣争いに敗れたことを暴露します。しかし、この先陣争いの裏には、ある一件が隠されていました。兄を追い詰める平次、切腹を覚悟する源太、我が子を助けたい延寿。それぞれの思惑が交錯し、物語は源太と延寿の親子の駆け引きに絞られていきます。


梶原源太景季(中村梅玉)、母延寿(中村魁春)

 源太の明かした先陣争いの真相とは、そして、母の思いがけない行動とは!? 美男子の代表格・源太の憂いを含んだ〈物語〉や、延寿の母としての苦悩、情愛を隠した母子の別れなど、見どころの多い一幕です。充実の配役で時代物の名作をご堪能ください。



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◎『幸希芝居遊』  ◎目次に戻る

 江戸庶民の楽しみである芝居見物。ところが、今年は“ある理由”で、江戸市中すべての興行が禁止されています。江戸座の座頭を勤める久松小四郎(松本幸四郎)は、芝居の虫が抑えられず、出勤自粛の身ながら、芝居小屋の前まで来てしまいます。見張りをしていた木戸芸者・舞台やろう彦作(澤村宗之助)と小四郎が、面白いやり取りを交わします。


久松小四郎(松本幸四郎)、舞台やろう彦作(澤村宗之助)

 芝居小屋に忍び込んだ小四郎は、同じ思いを抱えた役者仲間の金沢五平次(大谷廣太郎)や二朱判吉兵衛(中村莟玉)らと再会します。芝居のできない鬱憤を晴らすように、それぞれが思い思いの芸を次々と披露します。


舞台やろう彦作(澤村宗之助)、二朱判吉兵衛(中村莟玉)、
久松小四郎(松本幸四郎)、金沢五平次(大谷廣太郎)ほか

 歌舞伎の名場面を抜き出して演じる「吹寄(ふきよせ)」の手法で繰り広げられる、めくるめく舞台。芝居への愛と遊び心に溢れた新作をお楽しみください。



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【第二部】

◎『新皿屋舗月雨暈―魚屋宗五郎―』  ◎目次に戻る

 江戸で魚屋を営む宗五郎(尾上菊五郎)の家では、妹のお蔦が奉公先の磯部主計之介(坂東彦三郎)に手討ちにされたという知らせを受けて、皆が意気消沈しています。近所の菊茶屋の女房・おみつ(市村萬次郎)らが弔問に訪れる中、宗五郎が家に戻ってきます。途中、出くわした鳶の吉五郎(市村橘太郎)から気晴らしに酒を勧められた宗五郎でしたが、金毘羅様への禁酒の誓いを守り、実直ぶりを見せます。
 磯部邸へ抗議に行こうと訴える女房のおはま(中村時蔵)や父・太兵衛(市川團蔵)、奉公人の三吉(河原崎権十郎)に対して、宗五郎は、磯部家から受けた恩義を説いて、たしなめます。おはまが気晴らしに酒を勧めますが、宗五郎はここでも頑として禁酒の姿勢を崩しません。
 そこへ酒屋の丁稚・与吉(尾上丑之助)が酒樽を届けます。やがて磯部家の召使・おなぎ(中村梅枝)から事の真相を聞いた宗五郎は、無実の妹が受けた仕打ちに耐え切れず、ついに酒に手を出してしまいます。


宗五郎女房おはま(中村時蔵)、魚屋宗五郎(尾上菊五郎)


磯部召使おなぎ(中村梅枝)、宗五郎女房おはま(中村時蔵)、
小奴三吉(河原崎権十郎)、魚屋宗五郎(尾上菊五郎)、宗五郎父太兵衛(市川團蔵)

 一杯、二杯、三杯……と飲み進め、次第に酒乱になっていく宗五郎の様子が巧みな運びでリアルに表現されます。さらに、登場人物たちの息の合ったアンサンブルが芝居を盛り上げます。


魚屋宗五郎(尾上菊五郎)

 とうとう家を飛び出した宗五郎。磯部邸に押し入って暴れ回り……! 


宗五郎女房おはま(中村時蔵)、魚屋宗五郎(尾上菊五郎)、
家老浦戸十左衛門(市川左團次)

 家老・浦戸十左衛門(市川左團次)を前に、「酔って言うんじゃございませんが……」と語り出す宗五郎の長台詞は、最愛の妹を失った胸の内が溢れ、聴きどころです。菊五郎の名演に酔いしれてください。



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◎『太刀盗人』  ◎目次に戻る

 活気溢れる市場に、田舎者の万兵衛(坂東亀蔵)が土産物を探しに立ち寄ります。人混みに揉まれて戸惑う万兵衛の様子が巧みな動きで表現されます。
 そこへすっぱ(スリ)の九郎兵衛(尾上松緑)が現れ、万兵衛の太刀を盗もうとして口論になります。


すっぱの九郎兵衛(尾上松緑)、田舎者万兵衛(坂東亀蔵)

 騒ぎを聞きつけた目代(代官)の丁字左衛門(片岡亀蔵)が仲裁に入り、太刀の本当の持ち主がどちらかを調べ始めます。目代が二人に太刀の詳細を順番に問いかけますが、なぜか九郎兵衛も的確に答え……!?


すっぱの九郎兵衛(尾上松緑)、目代丁字左衛門(片岡亀蔵)、
田舎者万兵衛(坂東亀蔵)ほか

 刀の模様を聞かれ、万兵衛と連舞で返答することになった九郎兵衛が、ワンテンポずつ遅れて踊る場面が見どころです。ずる賢くも愛嬌を感じさせる九郎兵衛と、真面目で純朴な万兵衛の二人の姿が生き生きと描かれます。
 ユーモアに富んだ舞踊劇の名作をお楽しみください。


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 演じる喜び、観る楽しみに溢れた多彩な舞台をお送りする国立劇場の10月歌舞伎公演。お求めやすい価格で、初めて歌舞伎をご覧になる方にもオススメです。皆様のご来場をお待ちしております。

【関連ニュース】
◎尾上菊五郎、中村梅玉が意気込みを語りました!
https://www.ntj.jac.go.jp/kabuki/news/1020.html

10月歌舞伎公演は27日(火)まで
※ただし、15日(木)は休演
【第一部】午前11時開演 【第二部】午後3時30分開演

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