歌舞伎公演ニュース

2020年9月29日

【10月歌舞伎公演】

尾上菊五郎、中村梅玉が意気込みを語りました!

 国立劇場では10月より待望の歌舞伎公演を二部制で再開いたします。各部とも30分休憩を含む2時間30分程度の上演時間で、気軽にご鑑賞いただけます。
 第一部では時代物の名作『ひらかな盛衰記―源太勘当―』と新作舞踊劇『幸希芝居遊』を、第二部では世話物の名作『新皿屋舗月雨暈―魚屋宗五郎―』と松羽目舞踊『太刀盗人』を上演します。
 公演に先立ち、魚屋宗五郎を勤める尾上菊五郎と、梶原源太景季を勤める中村梅玉が意気込みを語りました。

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尾上菊五郎
(『新皿屋舗月雨暈―魚屋宗五郎―』魚屋宗五郎)

 私も役者になってから初めて8か月間のお休みをいただき、こうして最初に出演する舞台が国立劇場ということで、何を出したらいいかと考えていました。「魚屋宗五郎」には思い入れがありますし、ちょうどベストメンバーが組めましたので、上演させていただくことになりました。身震いするような喜びです。どういう舞台になるか楽しみで、私も一所懸命勤めてまいります。

 紀尾井町のおじさん(二代目尾上松緑)から「魚屋宗五郎はチーム戦」と教わりました。「チームでやっていかないと面白くないよ、自分のチームを作れよ」と言われたので、今回こうしてベストメンバーが揃ってありがたいです。いつもの顔が全員揃っていると、セリフの間などが違わず、安心なんです。
 初めて勤めた時は、松緑のおじさんから「まだ計算して酔っているよ、計算して酔わずに一気に酔っちゃえ」と教わりました。最初の1杯目からうまそうにして、そこからお酒の話に入ってしまった方が、お客様は戸惑いません。道理をわきまえた人間が酔っぱらって、ガラっと変わるところが面白いですね。
 十数回、勤めた役です。自分の手指にあった片口を作らせたり、自分用の茶碗などを全部揃えています。酒樽も含めて、すべてに愛着があります。この10月で78歳になりますが、どういう演技ができるのか楽しみです。結構体力も要りますしね。あと何回もできるわけでもないので、これが最後になるかなという思いで臨みます。

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中村梅玉
(『ひらかな盛衰記―源太勘当―』梶原源太景季)

 再開する国立劇場の歌舞伎公演の第一部に出させていただけることは、本当にありがたく、責任を感じています。国立劇場の歌舞伎を待ち望んでいるお客様も大勢いらっしゃるので、その期待に恥じないように、一所懸命勤めます。
 『ひらかな盛衰記』は源平の時代の物語ですが、この「勘当場」は戦をするわけではなく、ホームドラマです。跡目争いなども絡めながら、独特の親子関係や主従関係がよく描けている芝居だと思います。

 私の演じる梶原源太は「鎌倉一の風流男」で、風情がものすごく大事です。もちろん、武家の頭領ですから、あまりやわやわとしてはいけません。けれど、やはり色気や品格が一番で、テクニックでは演じられないのが難しいところです。
 初めて勤めた時、二代目の(中村)鴈治郎のおじさんの源太が素晴らしかったので、教わりに行きました。ところが、おじさんは「何も教えることなんかない、どうぞご自分のお好きなようにおやりなさい」とおっしゃり、実際、何もご指導はなかったんです。その後、稽古の時に、父(六代目中村歌右衛門)からこっぴどく怒られました。よく考えると、おじさんは舞台でほとんど何も特別なことをなさっていないんですが、風情で見せていたんですね。それは私ごときではとてもできていなかったので、父は怒ったのだと思います。
 その夜、父がマンツーマンで稽古を見てくれたのは忘れもしません。私が父の歌右衛門から手取り足取り教わったのは『勧進帳』の義経たった一つでしたが、その時以来で、形の悪いところなどをきっちり教えてくれました。
 大変苦労した役ですが、その後も何回か勤める機会があり、少しずつ自分のものになっている気はします。今回、また新しい気持ちでチャレンジしたいです。母・延寿の役を弟の(中村)魁春が勤めるのも楽しみです。芝居の中で一番重要なテーマは母子の情愛だと思いますが、二人でそうした親子の雰囲気をうまく出せるのではないかと期待しています。

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 芸術の秋に、歌舞伎の醍醐味を心ゆくまでご堪能ください。皆様のご来場をお待ちしております。

10月歌舞伎公演は、4日(日)から27日(火)まで
※ただし、15日(木)は休演
【第一部】午前11時開演 【第二部】午後3時30分開演

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