歌舞伎公演ニュース

2018年8月28日

中村芝翫、片岡孝太郎が
10月歌舞伎公演への意気込みを語りました

 10月歌舞伎公演は『通し狂言 平家女護島(へいけにょごのしま)』を上演します。
 平清盛生誕900年にあたる今年、物語の背景となる清盛の存在にも光を当て、上演頻度の高い「鬼界ヶ島」の前後に、清盛の横暴と東屋の悲哀を描く「六波羅清盛館」と、清盛の末路を暗示させる「敷名の浦」を付けた場面構成で、23年ぶりに通し狂言としてご覧いただきます。
 俊寛と清盛という善悪対照的な二役には、国立劇場に襲名後初出演となる中村芝翫を、俊寛の妻・東屋には片岡孝太郎を迎えてお送りします。
 公演に先立ち、芝翫と孝太郎が意気込みを語りました。



(左より)片岡孝太郎、中村芝翫

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中村芝翫
(平相国入道清盛・俊寛僧都)

 襲名して初めての国立劇場出演です。私は初舞台が国立劇場でしたので、芝翫を襲名して以来、出演できるのを心から楽しみにしておりました。「鬼界ヶ島」の俊寛は今まで何度も勤めておりますが、平清盛や東屋のことは思い浮かべるだけでしたので、今回、私が清盛を、孝太郎さんが東屋を勤めることで、お芝居がより一層立体的になると考えています。
 曾祖父の五代目(中村)歌右衛門が他の作品で度々演じた清盛を私も勤められるのは、とても有難いことです。また、「敷名の浦」については、平成7年10月国立劇場で(中村)吉右衛門のお兄様がお勤めになった時の映像や、昭和38年2月歌舞伎座の資料もありますので、それらを参考にしながら、今後は「清盛館」や「敷名の浦」を併せて上演した方が面白い、と言われるような作品にしたいです。
 清盛は並外れてスケールの大きな存在で、大変魅力に溢れている役です。“清盛の大きさ”が前提として出なくてはなりません。また、俊寛との役の切り替えも大切です。俊寛はどうしても感情を前面に押し出してしまいがちですが、今回はもっと“静の悲しさ”ということを考え、俊寛の内面を深く描いていきたいです。
 今回は3ヶ国語(英語・中国語・韓国語)に対応したポータブル字幕もあるそうです。歌舞伎は日本が誇る文化ですので、外国人の皆様にも愛していただきたいですし、まだ歌舞伎を観たことのない日本人の皆様にもぜひ観ていただきたいと思っています。

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片岡孝太郎
(俊寛妻東屋)

 

 「俊寛」の通しというお話を伺い、千鳥を勤めるのかなと思いましたが、今回は東屋を勤めることになり、私もそれなりの年齢になったのかと思い、感慨深いです。
 前回(平成7年10月国立劇場)、吉右衛門のお兄様が通しで上演なさった時に、(六代目中村)歌右衛門のおじ様の監修の下、(中村)魁春のお兄様が東屋を勤めていらっしゃるので、魁春のお兄様にお話を伺いながら、自分なりの東屋を創っていこうと思っています。
 私が女方になろうと思ったきっかけは、先代の(七代目)芝翫のおじ様にお稽古をつけていただいていた時、「これからは女方に専念しないか」「君のお家には、特別に女方の型がないだろうから、自分で松嶋屋の型を作っていきなさい」というお言葉をいただいたことです。それから女方に専念してまいりました。今回、芝翫のお兄さんに声をかけていただいたことは大変嬉しく、新しい東屋像を、そして「俊寛」のお芝居を、芝翫のお兄さんと一緒に創り上げたいです。
 東屋はとても気高く美しく、清盛が一目惚れする女性でなければいけません。その点を自分なりにどう創っていくかが最も大切です。また、自分の意志を率直に言う女性なので、そうした性格もきっちり表現したいです。後半は亡霊で登場しますが、古典の作品の中には怖さを表現するための独特な体の使い方もありますので、工夫してみようと思っています。

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 本公演は歌舞伎公演として初めて文化庁芸術祭のオープニングを飾ります。また、英語・中国語・韓国語のポータブル字幕サービスをご利用いただけます(有料)。
 芸術の秋に相応しい義太夫狂言の名作をお楽しみください。

10月歌舞伎公演は、1日(月)から25日(木)まで
12時開演 但し、12日(金)・19日(金)は午後5時開演

チケットは9月6日(木) 午前10時予約開始!
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