国立劇場|令和元年10月歌舞伎公演|10月2日[水]~26日[土]|令和元年度(第74回)文化庁芸術祭主催

通し狂言 天竺徳兵衛韓噺 三幕六場

HIGHLIGHTS & STORY

奇想天外!神出鬼没!屋体崩しのスペクタクル!?蝦蟇の妖術使い見参!!
  • 見どころ・あらすじを読む
  • 天竺徳兵衛について
  • 蝦蟇の妖術について

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SCHEDULE

令和元年10月2日[水]~26日[土]

12時開演(午後4時終演予定)※11日(金)・18日(金)は午後4時30分開演(午後8時30分終演予定)※開場時間は開演45分前の予定です。

国立劇場託児室

  • ・月・水・土・日・祝日に開設。事前のご予約が必要です(定員になり次第、締切)
  • ・料金: 0~1歳2,000円/2~12歳1,000円
  • ・受付時間: 平日午前10時~12時/午後1時~5時
  • ・ご予約・お問い合わせ: 0120-788-222 
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令和元年10月歌舞伎公演 通し狂言 天竺徳兵衛韓噺 三幕六場

今年で歿後190年を迎える四世鶴屋南北(1755~1829)の出世作『天竺徳兵衛韓噺(てんじくとくべえいこくばなし)』。文化元年(1804)に初演された本作は、江戸時代初期に東南アジア諸国の見聞録を残した播州高砂(現・兵庫県高砂市)出身の実在の商人・徳兵衛を題材に描いた作品で、南北作品ならではの奇抜な趣向が随所に散りばめられています。昭和47年(1972)5月、国立劇場が通し狂言として74年ぶりに復活して好評を博しました。今回は20年ぶりの通し上演でご覧いただきます。

あらすじ

時は室町時代、将軍・足利義政の治世。将軍家の重臣である佐々木桂之介(ささきかつらのすけ)は、将軍家より管理を命じられた宝剣「浪切丸(なみきりまる)」の紛失と梅津掃部(うめづかもん)の妹・銀杏の前(いちょうのまえ)との不義を咎(とが)められ、あわや切腹寸前、掃部の計らいによって宝剣詮議のための百日の猶予を与えられ、家老の吉岡宗観(よしおかそうかん)の屋敷に預けられます。

詮議の期限を翌日に控えた桂之介の気晴らしに、天竺(インド)帰りの船頭徳兵衛が宗観の屋敷に連れて来られ、見聞してきた異国の話を面白く語ります。宗観は、宝剣が発見されず窮地に追い詰められた桂之介を、銀杏の前とともに密かに落ち延びさせます。宝剣詮議の使者として訪れた掃部らの前で、宗観は、桂之介の逐電と宝剣紛失の責任を取って切腹します。そして瀕死の宗観は、徳兵衛に驚くべき事実―自らは日本転覆を目論む大明国の遺臣・木曽官(もくそかん)であること、徳兵衛は実の息子・大日丸(だいにちまる)であることを語ります。謀反の野望を受け継いだ徳兵衛は、実父から伝授された〝蝦蟇(がま)の妖術〟を自在に操り、屋敷を取り囲む人々を尻目に悠然と姿を消すのでした……。日本転覆を狙う徳兵衛の行方やいかに!

徳兵衛が繰り出す奇想天外な妖術の数々―屋敷を押しつぶす大蝦蟇の出現と“屋体崩し”、捕手を翻弄する蝦蟇からの突然の変身と“水中六方”、本水を用いた意表を突く早替りなど、一瞬たりとも見逃せない場面の連続です。主人公の天竺徳兵衛に中村芝翫が初役で挑むほか、周囲にベテランから若手花形に至る俳優陣が揃いました。国立劇場の舞台機構を活かしたスペクタクルに富む充実の舞台に、どうぞご期待ください。

天竺徳兵衛について

「天竺」に渡った
実在の商人・徳兵衛

本作の主人公・天竺徳兵衛のモデルは、海外貿易の先駆者の一人として知られる実在の人物です。

慶長17年(1612)播州高砂(兵庫県高砂市)に生まれた徳兵衛は、寛永3年(1626)、15才で朱印船の船頭の書役(書記)として長崎からシャム(タイ)に渡り、同5年に帰国。同7年には再びシャムに渡り、同9年に長崎へ帰ったと伝えられています。その後は、大坂の上塩町に住んで手広く商いを営み、敏腕を振るったといわれています。

晩年、徳兵衛は若い頃の二度の渡航体験を詳細な見聞録にまとめて長崎奉行所に献じ、鎖国下の日本に異国の文化を伝えました。

なお、「天竺」は、今日ではインドを指す語とされますが、徳兵衛の見聞録ではタイを天竺と称しています。

徳兵衛(提供:高砂市)

異国の妖術使い

徳兵衛の残した詳細な見聞録は、鎖国下の世に流布し、人々の異国趣味を刺激しました。やがて徳兵衛は人形浄瑠璃や歌舞伎に脚色され、妖術を駆使して日本転覆を図る特異な人物として描かれるようになりました。

[左]豊国『天竺徳兵衛大日丸』(安政4年[1857])国立国会図書館所蔵 [右]豊国『豊国漫画図絵 天竺徳兵衛』(万延元年[1860])国立国会図書館所蔵[左]豊国『天竺徳兵衛 尾上菊五郎』(万延元年[1860])国立国会図書館所蔵 [右]三代目歌川豊国『天竺徳兵衛 市村家橘』(文久2年[1862])東京都立中央図書館特別文庫室所蔵

天竺徳兵衛が最初に登場した芝居は、宝暦7年(1757)初演の歌舞伎『天竺徳兵衛聞書往来(てんじくとくべえききがきおうらい)』です。この作品は徳兵衛を高麗国の王家臣下の子とし、七草(天草)四郎を名乗って天下を覆そうとする謀反人として描きました。その後の作品でも、妖術を駆使して日本転覆を図る謀反人のイメージは踏襲されました。

徳兵衛が唱える呪文に出てくる「はらいそ」という言葉は、天国(パラダイス)を意味するキリシタン用語で、人々にキリシタンの妖術を連想させました。

『天竺徳兵衛 尾上菊五郎/駒形蔵之進 中村芝翫』(文政3年[1820])東京都立中央図書館特別文庫室所蔵[左]歌川国芳『天竺徳兵衛韓噺』(天保4年[1833])国立国会図書館所蔵 [中央]初代歌川国貞『天竺徳兵万里船』(天保12年[1841])東京都立中央図書館特別文庫室所蔵 [右]三代目歌川豊国『天竺徳兵衛』(安政4年[1857])国立国会図書館所蔵

文化元年(1804)に初演された四世鶴屋南北の『天竺徳兵衛韓噺』は、南北ならではの奇抜な趣向が随所に散りばめられた作品で、徳兵衛の繰り出す奇想天外な妖術の数々が評判を呼んで、大当たりを取りました。これが出世作となり、南北はその後も数々の名作を世に送り出し、名声をほしいままにしました。

初代歌川国貞『天竺徳兵万里船』(天保12年[1841])東京都立中央図書館特別文庫室所蔵

切支丹バテレン騒動奉行所も驚いた早替り

『天竺徳兵衛韓噺』では、座頭に化けた徳兵衛が池に飛び込んだ直後、花道から上使の姿で現れます。初演時、この本水を用いた徳兵衛の鮮やかな早替りは、切支丹バテレン(キリスト教の神父)の妖術ではないかと噂され、奉行所から検分に来たというエピソードが残っています。実はこの噂を広めたのは作者の南北自身で、「お奉行様さえ驚くほどの早替りだ」ということで、芝居は連日大入りになったと伝えられています。

[上・下]尾関トヨ(編)絵本『天竺徳兵衛妖術伝』(明治18-20年[1885-1887])国立国会図書館所蔵

蝦蟇の妖術について

蝦蟇の妖術と「ガマの油」

独特の存在感を放つ蝦蟇(がま)は、毒性のある体液の作用から霊能視されて、様々な怪奇説話を生み出しました。また、中国の神仙思想も手伝って、いわゆる“蝦蟇の妖術”が形作られていきました。日本において蝦蟇仙人は数いる仙人の中でも特に人気があり、現代の漫画やアニメにも登場しています。

[上・下]尾関トヨ(編)絵本『天竺徳兵衛妖術伝』(明治18-20年[1885-1887])国立国会図書館所蔵

ガマガエルの耳後腺と皮膚腺から分泌される蟾酥(せんそ)には、強心作用や鎮痛作用があるとされています。戦前、筑波山で売られていた軟膏「ガマの油」には、本物の蟾酥が用いられていたともいわれています。現在も伝承されている「ガマの油売り口上」の一節には、鏡張りの箱に入れた蝦蟇が鏡に写った自分の姿に驚いて油汗を流すので、これを煮詰めて「ガマの油」を作る様子が描かれています。こうした一節からは、蝦蟇に神秘的な力が宿っていると信じられていた様子が窺い知れます。

今回の公演期間中、筑波山ガマ口上保存会による「ガマの油売り口上」の特別実演を、数日予定しています。つくば市の無形民俗文化財にも指定されている妙技を、芝居と併せてどうぞお楽しみください。

歌川国梅『天竺徳兵衛 尾上菊五郎』(明治16年[1883])国立劇場所蔵
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令和元年度(第74回)文化庁芸術祭主催 令和元年10月歌舞伎公演 10月2日[水]~26日[土]

通し狂言 天竺徳兵衛韓噺 三幕六場

序幕 北野天満宮鳥居前の場 同 別当所広間の場|二幕目 吉岡宗観邸の場 同 裏手水門の場|大詰 梅津掃部館の場 同 奥座敷庭先の場
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