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【千駄ヶ谷だより】綾子舞のふるさと-柏崎(7月29日企画公演)


 7月の国立能楽堂では【月間特集・能のふるさと・越路】と題して、越前・加賀・能登・越中・越後ゆかりの作品を特集します。その中でも29日の企画公演では「中世のおもかげ-『柏崎』」として、新潟県・柏崎に伝わる「綾子舞」を、同地が舞台の能「柏崎」とともに上演します。

 柏崎は日本海と米山・刈羽黒姫山・八石山の刈羽三山に囲まれた自然豊かな地です。海沿いの中心部から南に15kmほど下った黒姫山の麓に、「綾子舞」の伝承地である女谷(おなだに)があります。稲作が盛んな米どころであり、今でも冬には2mを超える雪が集落を包み込みます。この地で「綾子舞」は500年以上前から受け継がれてきたのです。

 由来は諸説ありますが、女性が踊る『小歌踊』と男性が演じる『囃子舞』『狂言』から「綾子舞」は構成されます。踊りの衣装や振り、歌詞、また囃子に三味線が入らないことなどが女歌舞伎の踊りに似ていること、『狂言』において現在の能楽の流儀にはない若衆歌舞伎の演目を伝えていることなどから、中世の風流踊りや初期歌舞伎のおもかげを残す芸能として高く評価されています。昭和51年には国の重要無形民俗文化財に指定されました。

 このように全国的にも貴重な芸能ですが、長く伝承していくことは容易なことではありません。もともと4つの集落がそれぞれの芸風を守り伝えてきましたが、明治に入り伝承が途絶えてしまった集落もあり、現在では高原田(たかんだ)と下野(しもの)の2つの集落にある両座元が柏崎市綾子舞保存振興会を組織し、先祖伝来の誇りを糧に保存伝承を行っています。

 今回、国立能楽堂では「綾子舞」の代表的な演目である小歌踊『小原木踊』『小切子踊』、囃子舞『猩々舞』、狂言『海老すくい』を上演いたします。さらに「綾子舞」を育んだ柏崎を舞台とし、我が子を想う母の一途な祈りを描いた能「柏崎」もお楽しみいただきます。越路に伝えられた芸能と越路を舞台とした能の稀有な出会いを是非ご覧ください。


 小歌踊「小原木踊」【提供=柏崎市教育委員会博物館】


  綾子舞伝承の拠点・綾子舞会館(新潟県柏崎市)



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