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【千駄ヶ谷だより】 中世のスーパーヒーロー自然居士

弱きを助け、強きをくじく。颯爽と現れ、悪者をやっつける正義のヒーローが活躍する物語は、今も昔も娯楽の王道です。中世の芸能である能の中にも、そんなかっこいいヒーローが登場します。それがこの「自然居士(じねんこじ)」。しかも腕ずくで相手を屈服させるのではなく、相手の言いなりに芸を披露して見せながら、最後には目的を達成する、平和主義者のヒーローなのです。


能「自然居士」あらすじ


自然居士が雲居寺(うんごじ)で説法をしているところへ、衣を奉納して両親の供養を願う少女が現れます。実はその衣は、少女がわが身を売った身代衣(みのしろごろも)で、少女は人買いによって供養の場から連れ去られてしまいます。自然居士は少女を取り戻すため、満願を目前に控えた説法の場を去り、人買いの後を追います。琵琶湖のほとりで追いついた自然居士に、人買いは、少女を返してほしければいろいろの芸をやって見せろと言い、自然居士をなぶりものにしようとします。自然居士は人買いの無理難題にも当意即妙の答えで切り返しつつ、様々な芸を見せ、ついに根負けした人買いの手から少女を取り戻します。


自然居士とは


自然居士は喝食(かっしき)と呼ばれる修行中の僧で、その名も「喝食」という面を着けますが、その表情は若々しく、前髪を残した少年の顔立ちです。稚児を愛でる習慣のあった時代、美しい少年僧はアイドル的な存在でした。それが悪者の大人を相手に一歩も引かず渡り合う姿に、観客たちは喝采を送ったことでしょう。


観阿弥の名演


観阿弥は「自然居士の能」を得意にしており、足利義満が少年時代の世阿弥との会話の中で、その芸を絶賛したことが『申楽談儀』の中に書かれています。少年僧を演じた観阿弥が「十二、三ばかりに見えた」というのはオーバーな気もしますが、「さすがのお前でもあの親父にはかなわないだろう」という義満の言葉が、当時の舞台の雰囲気を生き生きと伝えています。

  


「自然居士」『能楽図絵二百五十番』月岡耕漁(国立能楽堂蔵) 


人々が行き交う場所・近江


7月の月間特集は「能のふるさと・近江」です。物語の舞台となる近江は琵琶湖の水上交通もあり、商業が発達し、様々な人が行き交う土地でした。「自然居士」では人買いが舟に乗りこもうとするところを引き留める緊迫した場面が描かれます。狂言「磁石」も、宿屋で行き合わせた男に危うく身柄を売り飛ばされそうになるという、スリリングな展開です。

 

 日時

  7月22日(金) 午後6時30分開演 (終演予定8時30分頃)

 演目・出演者

 狂言「磁石」茂山七五三(大蔵流)
 能 「自然居士」武田宗和(観世流)

 料金  正 面=4,900円
 脇正面=3,200円(学生2,200円)
 中正面=2,700円(学生1,900円)

 チケット予約

 [電話] 国立劇場チケットセンター(10時~18時)
  0570-07-9900 / 03-3230-3000(一部IP電話等)
 [インターネット予約] 国立劇場チケットセンター≫


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