日本芸術文化振興会トップページ  > 国立能楽堂  > 【千駄ヶ谷だより】 学問の神様・菅原道真の能 (5/26 企画公演)

国立能楽堂

トピックス

【千駄ヶ谷だより】 学問の神様・菅原道真の能

5月の企画公演は復曲能「菅丞相」です。
この冬、合格祈願などで天満宮を訪れた方も少なくないことでしょう。そこに祀られる学問の神様・菅原道真(菅丞相)の生涯は説話として広く語り継がれ、浄瑠璃の名作「菅原伝授手習鑑」を生み出しましたが、能には「雷電(らいでん)」(「妻戸(つまど)」)、「来殿(らいでん)」などの作品として伝えられています。「雷電」では、雷神となった道真が師の法性坊(ほっしょうぼう)と激しく争うさまに焦点が当てられますが、その原作とされるのが「菅丞相」です。「菅丞相」では二人の対決だけでなく、道真左遷時の悲痛な想いや法性坊との師弟愛が細やかに描かれるところなどに作品の深みがうかがえます。
上演が途絶えていたのを、道真千百年忌に合わせて大阪天満宮の依頼で復曲された「菅丞相」の、東京での初演にぜひご期待下さい。


復曲能「菅丞相」あらすじ


讒言(ざんげん)によって太宰府に流され憤死した菅丞相の怨念で帝が病に伏し、延暦寺の座主法性坊は祈祷を頼まれます。その法性坊の前に怪しい男が現れますが、それこそかつての弟子、菅丞相の怨霊でした。菅丞相はおのれの味わった苦しみを訴え、宮中へ招かれても参内しないように法性坊に頼みます。それが受け入れられないと悟ると炎を吐いて姿を隠します。いよいよ参内することとなった法性坊の前に火雷神(からいしん)を従えた菅丞相が現れ、師の車を妨げようとしますが、やがて心を和らげ、後には天満天神となって国土を守護します。


世阿弥の芸談


世阿弥の芸談である『申楽談儀(さるがくだんぎ)』に、「飛出は、菅丞相の石榴くわつと吐き給へるところを打、天神の面、天神の能に着しよりの名也」とあり、当時すでに菅丞相を描いた能があったことがわかります。この「天神の能」が「菅丞相」で、現行曲の能「雷電」はそれを改作したものとも言われています。また、現行の「雷電」には「飛出(とびで)」は使われず、「天神」や「顰(しかみ)」の面が使われるなど、微妙なずれもあってさまざまな想像をかき立てられます。


「雷電」、「妻戸」、「来殿」


現行の能「雷電」は観世流と喜多流にあり、金剛流では曲名が「妻戸」に変わります。「妻戸」というのは、世阿弥の芸談にもあるとおり、菅丞相が石榴(ざくろ)をかみ砕いて妻戸にかっと吐きかけたところ、炎となって燃え上がった、という印象的な場面にちなんだ名前です。これに対して宝生流の「来殿」は曲名だけでなく、後段を全面的に作り変えた全く別の曲になっています。これは加賀の前田侯が菅原道真を鬼とすることを憚って貴人の姿とし、曲名も変えたためだと言われています。


「能装図・雷電」(国立能楽堂蔵)


同時上演は、復曲狂言「連尺」です。
 

 日時

  5月26日(木) 午後1時開演 (終演予定3時15分頃)

 演目・出演者

 復曲狂言「連尺」野村又三郎
 復曲能 「菅丞相」大槻文藏

 料金  正 面=6,300円
 脇正面=4,800円(学生3,400円)
 中正面=3,200円(学生2,200円)

 チケット予約

 [電話] 国立劇場チケットセンター(10時~18時)
  0570-07-9900 / 03-3230-3000(一部IP電話等)
 [インターネット予約] 国立劇場チケットセンター≫


公演の詳細はこちら

※画像の転載はお断りいたします。

  • 平成30年度歌舞伎・能楽・文楽鑑賞教室のご案内
  • 障害を理由とする差別の解消に関するご相談窓口
  • 会員募集中! 国立劇場友の会 あぜくら会
  • 快適なご観劇のために
  • 伝統芸能を「調べる」「見る」「学ぶ」文化デジタルライブラリー
  • 養成事業 能楽・文楽・歌舞伎俳優・竹本・鳴物  研修生募集中! 平成29年4月開講
  • 芸術の創造・普及活動を援助する 芸術文化振興基金
  • 国立能楽堂 出版物のご案内