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【千駄ヶ谷だより】 渡来人の記憶・機織りの能

5月定例公演「呉服」(くれは)
呉服(ごふく)という呼び名が示す通り、日本の服飾文化には中国から伝わったものが大きな影響を与えてきました。その文化を伝えた渡来人(とらいじん)の伝説を語る異色の能が「呉服」です。脇能でありながら神ではなく、伝説的な機織りの名手を主人公としたこの能は、太鼓に合わせてテンポよく「天女ノ舞」を舞う、見て楽しい作品です。特殊な作リ物を出すために上演の機会が少ない能なので、どうぞお見逃しなく!


能「呉服」あらすじ

住吉神社へ参拝の帰り、臣下たちが呉服の里(大阪府池田市)に立ち寄ると、美しい姉妹が機を織っているところに出会います。姉妹は臣下の問いに、自分たちは応神天皇の御代に機織りの技術を日本に伝えた呉織(くれはとり)、漢織(あやはとり)で、今の御代を祝福するために姿を現したのだと答えます。二人は機織り台を操りつつ昔のことを物語り、帝に機を織って捧げようと言い残し姿を消します。奇瑞を待つ臣下の前に、やがて呉織の霊が神々しい姿で現れ、あでやかに舞を舞って見せます。


世阿弥の名前

「秦(はた)」「服部」などの苗字は、機織りに関係する帰化人(きかじん)の一族に連なるものであると言われます(はたおり→はっとり)。世阿弥は伝書「風姿花伝」に「秦元清(はたのもときよ)」と署名しています。猿楽の始祖としてあがめられている秦河勝(はたのかわかつ)は聖徳太子に仕えた伝説的な帰化人であり、自らをその子孫と称しているのです。また能「加茂」では「秦氏女(はたのうじにょ)」が白羽の矢によって懐胎し、神の母となったという伝説が語られ、この姓に対する並々ならぬ思い入れが感じられます。そして「呉服」という能もまた、異なる伝説を扱ってはいますが、猿楽の者たちの祖先に対する信仰の一面を伝えているようにも思われるのです。


五色の糸の作リ物

「呉服」の見どころのひとつは、五色の糸を張り掛けた華麗な作リ物です。能の作リ物としてはもっとも大きなもののひとつで、もちろん「呉服」の能以外には用いられません。流儀によって形や色は異なりますが、めったに見られないものですから、この機会にぜひご覧ください。


(呉服作リ物・観世宗家蔵)


同時上演は、狂言「昆布売」です。
 

 日時

  5月20日(金) 午後6時30分開演(終演予定9時頃)

 演目・出演者

 狂言「昆布売」山本則俊
 能 「呉 服」梅若玄祥

 料金  正 面=4,900円
 脇正面=3,200円(学生2,200円)
 中正面=2,700円(学生1,900円)

 チケット予約

 [電話] 国立劇場チケットセンター(10時~18時)
  0570-07-9900 / 03-3230-3000(一部IP電話等)
 [インターネット予約] 国立劇場チケットセンター≫


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