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国立能楽堂

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【千駄ヶ谷だより】 働く貴方に贈る能・狂言

8月7日(金)の国立能楽堂・企画公演は、「働く貴方に贈る」と題し、お勤め帰りでも間に合う、夜7時開演です。
上演前の対談では、シテ方宝生流宗家・宝生和英氏(29歳)に、能楽師として、また宗家としてのお仕事について、お話をうかがいます。対談のあとは、狂言「呼声(よびこえ)」、能「善知鳥(うとう)」をお楽しみいただきます。

狂言「呼声」


無断で旅に出ていた太郎冠者が、こっそり帰ってきたようです。怒った主人は、次郎冠者をともなって、太郎冠者の家に向かいます。次郎冠者をつかって、太郎冠者を呼び出そうとする主人。しかし、太郎冠者は居留守をつかい、主人が声色を変えても出てきません。今度は様々な謡で呼び出すと、太郎冠者も同じ節回しで留守だと答え…。

狂言で謡われる「狂言謡」にはいくつかの種類があり、それを駆使して太郎冠者を呼び出す辺りが見どころ。公演プログラム『月刊国立能楽堂』8月号(580円・8月1日発行)の特集では、狂言歌謡について、関屋俊彦氏の寄稿を掲載しています。


能「善知鳥」


諸国一見の僧が、陸奥・外の浜(そとのはま)に行く途中、越中(富山県)の立山に立ち寄ります。立山からの眺めは地獄を見るようで、とても恐ろしいものでした。立山のふもとに下りると、亡者が現れます。そして僧に、生前自分は猟師であったが、自分の妻と子のいる家を訪ねて、蓑と笠を手向けてほしいと頼みます。僧が、亡者に頼まれた証拠にと破いた着物の袖を預かると、亡者は姿を消してしまいました。

僧は、妻子の家を訪ねます。すると、妻が夫の形見だと言って持ってきた着物と、僧の持ってきた着物の袖が、ぴたりと合いました。僧が猟師の霊を弔い読経すると、猟師の霊が現れます。
猟師は、生前に鳥けだものを殺してきた、あまりに重い罪を悔いますが、その罪のため妻子に触れることは叶いません。自分も子どもをいとおしく思うように、鳥けだものも我が子をいとおしく思うであろう、それなのにどうして自分はあのように殺生したのかと苦悶し、助かることのない地獄の苦しみを語ります。

なかでも善知鳥は、親鳥の声にまねて「うとう」と呼ぶと、子鳥は「やすかた」と答えるから、居場所が知れて捕えやすかったこと、けれども子鳥を捕ったときは親鳥が悲しんで血の涙を降らすこと、それが身にかかると死んでしまうので蓑や笠で身をおおうが、身を隠しきれず、体が真っ赤に染まったことなどを語ります。
猟師は、地獄でこの善知鳥が、体を引き裂く恐ろしい化鳥となって責め立てるので、助けてほしいと僧に訴え、そのまま消えてしまいます。


能「善知鳥」(「能楽図絵二百五十番」月岡耕漁・国立能楽堂蔵) 

仏教では、殺生は重い罪となると考え、そのテーマを扱った演目です。
猟師は、動物を殺して、食料や賃金を得る職業ですので、業の深い生業だったのでしょう。かつてひとは動物を殺すときに、祈りをささげ、骨肉はすべて無駄にせず使うことで、その罪を償おうと考えていました。先祖の霊が動物に宿り、自分たちのもとへ食料となるために来てくれたとする話もあります。現代の私たちはどうでしょうか。重いテーマですが、見ごたえのある曲です。

公演当日は、昨年からシリーズで作成し、ご好評いただいている「働く貴方に贈る」チラシについて、時松はるな氏によるイラスト原画展をロビーにて行います。お楽しみに!


 日時

  8月7日(金) 午後7時開演 (終演予定9時30分)

 演目・出演者

 対談 宝生和英(シテ方宝生流宗家)・金子直樹(能楽評論家)
 狂言「呼声」善竹隆平(大蔵流)
 能「善知鳥」辰巳満次郎(宝生流)

 料金  正 面=5,100円
 脇正面=4,100円(学生2,900円)
 中正面=3,100円(学生2,200円)

 チケット予約

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 [電話] 国立劇場チケットセンター(10時~18時)
  0570-07-9900 / 03-3230-3000(一部IP電話等)
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