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第8回青翔会 能『舎利』のいろいろ

国立能楽堂養成研修生をはじめ若手能楽師を中心とした公演「青翔会」。10月19日(月)午後1時開演の第8回青翔会では、狂言『痺(しびり)』、舞囃子『松虫(まつむし)』『鞍馬天狗(くらまてんぐ)』、能『舎利(しゃり)』を上演いたします。 能『舎利』(宝生流)の魅力とは・・・。

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『舎利』あらすじ

諸国一見の旅僧が京の泉湧寺を訪れたときのこと。霊験あらたかな仏舎利(釈迦の骨を納めた珠)を旅僧が拝んでいるところへ、怪しげな形相の里人が登場します。ともに仏舎利を拝む二人でしたが、稲妻が光るや否や、里人は足疾鬼(そくしっき)の霊であると自らの正体を明かし、仏舎利を盗んで虚空へ逃げてしまうのでした。 仏舎利を手に入れて悠々と空を駆ける足疾鬼。ところが韋駄天(いだてん)が勇壮に登場し、仏舎利を返すよう足疾鬼に迫ります。足疾鬼は韋駄天に打ち据えられ、泣く泣く仏舎利を返して消え失せます。

能楽図絵二百五十番 舎利 月岡耕漁筆、国立能楽堂蔵
「能楽図絵二百五十番 舎利」(月岡耕漁筆、国立能楽堂蔵)

そもそも「舎利」とは?

「舎利」は、サンスクリット語「シャリーラ」の音訳で、仏の遺骨を指します。お釈迦様が、自らの遺骨を守って供養するように弟子へ遺言を残したと、仏教経典の『涅槃経』に書かれています。この記述をもとに、中国や日本で舎利信仰が広まり、多くの寺院で舎利殿が建てられました。能『舎利』の舞台となる京都・泉湧寺の舎利殿は、中国から伝来した舎利を納めていることで、中世の人々の篤い信仰を集めていました(『本朝高僧伝』『泉湧寺文書』)。 また江戸時代には、「舎利」は実は白米のことを指すという説も生まれました。お寿司のご飯のことを「シャリ」と言いますが、その語源は「舎利」であることを皆さんご存知でしょうか。

「韋駄天」とは誰?

「イチロー韋駄天走塁!敵将唖然!」など、スポーツ紙等でも、足の速い人の例えとしてしばしば使われる「韋駄天」。実は、仏教の守護神の一人です。前述の『涅槃経』には、捷疾鬼(能『舎利』では「足疾鬼」)が舎利を盗んだという記事が含まれており、さらに『太平記』等の記載では、盗まれた舎利を俊足の韋駄天が取り返したことになっています。能『舎利』の後半の主人公・韋駄天の形象は、『太平記』の俗説に従っています。

演出もみどころ満載!

『舎利』は、豪快で写実的な演出も特徴的です。前半の主人公・里人は舎利を奪った後、舎利を納めている台を、足で踏み潰してしまいます。地謡(舞台右側に並ぶ8人)が「見る人の目をくらめて、その紛れに牙舎利を取って・・・」と謡うところで、舞台中央に注目してみてください。 他にも、韋駄天が足疾鬼を打ち据える後半の場面など、変化の多い曲です。初めて能をご覧になる方にもお勧めの曲です。 第8回青翔会は残席僅少です。お早めにお求めください。

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