日本芸術文化振興会トップページ  > 国立能楽堂  > 【千駄ヶ谷だより】 かきつばたの花の精(5/15定例公演)

国立能楽堂

トピックス

【千駄ヶ谷だより】 かきつばたの花の精

国立能楽堂では、5月15日の定例公演で能「杜若(かきつばた)」を上演します。「杜若」は「雲林院」や「井筒」などとともに、『伊勢物語』を題材に作られた能です。

伊勢物語


『伊勢物語』は、作者・成立年がはっきり特定できない作品です。一人の作者によって一時期に作られたものではなく、古い物語や新しい物語が合わさり、一人の男の人生を描いた物語として成立しています。
また、『古今和歌集』の中の、在原業平の和歌が見られることから、業平の物語ともいわれています。

ほかの古典文学作品同様に、『伊勢物語』も芸能・芸術の分野に様々に引用されてきました。中でも第九段・通称「東下り」の中に出てくる「から衣 きつつなれにし つましあれば はるばるきぬる たびをしぞ思ふ」の歌は「かきつばた」の五文字を句頭に置いた有名な歌で、三河の国八橋の杜若が咲き誇る風景を、後年まで人々の記憶に留めています。

 

 

能「杜若」


諸国一見の僧が、三河の国八橋に来て杜若を愛でていると、女姿の杜若の精が現れます。精霊は、杜若こそは業平の形見の花だと述べ、業平の冠と二条后の唐衣を着て、舞を舞います。

在原業平は、名にし負うプレイボーイ。しかし業平と契りを交わすことで、相手の女人や非情の草木の精までをも救済するという仏教思想へと結びついてゆきます。
業平は極楽の歌舞の菩薩の化現(けげん)で、詠む和歌の言葉までもみな法身説法の妙文である、草木にまでも仏縁を与えてくれる存在である、と杜若の精は語ります。
  月やあらぬ 春や昔の春ならぬ 我が身ひとつは もとの身にして
月も春も昔のままではない、私だけが昔のままなのだろうか、と詠んだ業平の歌。
そしてこの歌を背景に、美しい謡によせて杜若の精は舞を舞い、悟りの心を開いて消えて行きます。



月岡耕漁「能楽図絵二百五十番」より 能「杜若」(国立能楽堂所蔵) 

 

 日時

  5月15日(金) 午後6時30分開演 (終演予定8時45分)

 演目・出演者

 狂言「仁王」野村又三郎(和泉流)
 能「杜若」武田尚浩(観世流)

 料金  正 面=4,900円
 脇正面=3,200円(学生2,200円)
 中正面=2,700円(学生1,900円)

 チケット予約

 好評発売中!
 [電話] 国立劇場チケットセンター(10時~18時)
  0570-07-9900 / 03-3230-3000(一部IP電話等)
 [インターネット予約] 国立劇場チケットセンター≫


公演の詳細はこちら

※画像の転載はお断りいたします。

  • 平成30年度歌舞伎・能楽・文楽鑑賞教室のご案内
  • 障害を理由とする差別の解消に関するご相談窓口
  • 会員募集中! 国立劇場友の会 あぜくら会
  • 快適なご観劇のために
  • 伝統芸能を「調べる」「見る」「学ぶ」文化デジタルライブラリー
  • 養成事業 能楽・文楽・歌舞伎俳優・竹本・鳴物  研修生募集中! 平成29年4月開講
  • 芸術の創造・普及活動を援助する 芸術文化振興基金
  • 国立能楽堂 出版物のご案内