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【千駄ヶ谷だより】 妖怪・鵺と蚊の精が登場

9月16日(水)の国立能楽堂・定例公演は、妖怪・鵺(ぬえ)と、蚊の精が登場!「妖怪ウォッチ」などで注目をあびている妖怪たちですが、能・狂言では昔から活躍していますよ。ぜひチェックしてご来場ください。

蚊の精が相撲を… /狂言「蚊相撲」(かずもう)


相撲とりを雇った大名。力試しにと、まず大名が相撲をとると、ばったり倒れてしまいました。しかし、相撲の技で倒されたわけじゃない。えっ貧血…? 
この相撲とりの、気味の悪い掛け声、手をばたばたさせる様子。あやしい…。

そもそもいったい誰が、蚊を人間サイズの妖怪にしようなどと考えたのでしょうか。
しかも蚊の精は、相撲とりになって、びったり組み合ったときに人間の血を存分に吸おうとたくらんでいます。
蚊なのに、計画が綿密すぎです。
このような突拍子のなさ、意表をつく設定も、狂言のすばらしさのひとつ。
そして血を吸われ蚊の精の正体に気づいても、危険をかえりみず、なお勝とうとして相撲をとる、大名と太郎冠者のおおらかさ。

蚊の精には「うそふき」という、すてきな名称の狂言面を使用します。


 

猿+虎+蛇=?? /能「鵺」(ぬえ)


ぬえ、という発音からして不気味さを漂わせています。ぬえは、頭がサル、手足がトラ、尾がヘビで、ヒョーヒョーと鳴く、合体型の妖怪です。

このぬえ、黒雲にのって御所(天皇の住む京都の中心部)へ行き、毎夜上空から近衛天皇を呪い苦しめて、やいやい楽しんでいました。宮中の高僧たちが祈祷(きとう)しても効果なし。そこで源頼政(よりまさ)が呼ばれ、悪霊退治を命じられます。

頼政は黒雲に向かい矢を射ると(ずいぶん遠くまで飛ぶのですね)、隠れていたぬえに命中。落ちたところを家来の猪の早太(いのはやた)がめった切りに九度も刺し、ぬえは死んだのですが…。

悪いことをして地獄に落ちるのは、人間も妖怪も一緒。ぬえは天皇を苦しめて威張っていたことを反省しますが、舟につめこまれ淀川に流されて、月の光も日の光も見えない…と嘆きます。
その姿の醜さゆえに闇にまぎれ、どんどんひねくれていき、一番重要な人物をいじめてうっぷんを晴らしていたのなら、妖怪であっても人間のよう。その心中わからなくもありません。
哀れでかわいそうなぬえは最後に、どうかあの山の端の月のように私の後の世を照らしてください…と僧に頼み、消えていきます。

 
「鵼」(鳥山石燕「今昔画図続百鬼」より)
ぬえは『平家物語』巻四の「鵺退治」の話で登場します。それをもとに、能の大成者・世阿弥がこの能「鵺(ぬえ)」を作りました。
伝説の妖怪の具体的な姿は、画家たちの意欲をかきたてたのか、さまざまに描かれ残されています。

本来ぬえは、鳥の「とらつぐみ」のことですが、これが鳴くと不吉だという言い伝えがあり、そこから妖怪ぬえの姿が生み出されたようです。
しかしサルとトラとヘビ(ほか胴がタヌキなど組み合わせは様々あります)とは、昔の人の想像力に脱帽です。
ぬえが流されたのは大阪湾にそそぐ淀川です。川の周辺に、舟で流されたぬえを葬ったとされる鵺塚(ぬえづか)が点在していて、関西ではぬえの存在が身近に感じられることでしょう。

能・狂言どちらも妖怪が登場する定例公演。はじめて能楽に触れる方も、臆している場合ではありません。ぜひお誘いあわせてお越しください!

公演の詳細はこちら
夜の定例公演「能見ナイト!!」ページはこちら


 日時

  9月16日(水) 午後6時30分開演 (終演予定8時45分)

 演目・出演者

 狂言「蚊相撲」茂山千五郎(大蔵流)
 能 「鵺」佐野 登(宝生流)

 料金  正 面=4,900円
 脇正面=3,200円(学生2,200円)
 中正面=2,700円(学生1,900円)

 チケット予約

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 [電話] 国立劇場チケットセンター(10時~18時)
  0570-07-9900 / 03-3230-3000(一部IP電話等)
 [インターネット予約] 国立劇場チケットセンター≫

 

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