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国立能楽堂

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12月企画公演「特集・天狗―その知られざる世界―」

鼻高の顔立ちや、手に持つ羽団扇でイメージされる天狗。鞍馬山の義経(牛若丸)伝説や崇徳上皇の怨霊伝説など、さまざまな伝説が各地に残され、文芸作品などに取り上げられてきました。12月企画公演では、その天狗ゆかりの作品を特集して上演します。

そもそも「天狗」とは、古くは大きな音をたてて流れる流星を呼んでいたのが、平安時代には山中での怪異現象や人を惑わす存在を表すようになり、やがて深山に棲んで自由に空を飛ぶことができる妖怪のイメージへとつながっていきました。天狗が山伏姿とされるのは、中世に発展した修験道(しゅげんどう)の修験者(山伏)が、霊験を得るために山中で修行し、加持祈祷などを行った姿が天狗に重ねられたといわれています。

能にも、天狗物と呼ばれる「鞍馬天狗」「車僧(くるまぞう)」「是界(ぜがい)」など、天狗が登場する作品があり、上演を重ねてきました。今回は、『十訓抄』の説話を題材にした「大会」(7日)と、非業の生涯を閉じた崇徳上皇の霊が現れる「松山天狗」(8日)を上演します。どうぞご期待ください。

▲ 能 大会
▲ 能 松山天狗

資料はともに「能楽図絵二百五十番」月岡耕漁(国立能楽堂蔵)

能 大会(だいえ)〔7日〕

比叡山の僧(ワキ:福王和幸)に命を助けられた天狗(シテ:高林白牛口ニ)は、そのお礼に僧の望みどおり、霊鷲山(りょうじゅせん)での釈迦の説法(大会)の様子を幻術で現してみせますが、僧を惑わした罪として帝釈天(ツレ:大島輝久)に懲らしめられてしまいます。

能では、仏道を妨げる悪鬼として描かれることの多い天狗ですが、この作品では感謝の心を忘れない人間らしいキャラクターとなっています。華やかで荘厳な大会の場面から一転、シテは二重にかけた面の一つを外し、天狗の姿に早変わりします。帝釈天と天狗の攻防では舞台と橋掛リを縦横無尽に用いたスペクタクルな展開が見どころです。京童(アイ:野村萬斎ほか)や木葉天狗による間狂言も舞台を盛り上げます。国立能楽堂では15年ぶりの上演です。

復曲能 松山天狗(まつやまてんぐ)〔8日〕

讃岐国・松山の御陵に歌を手向けた西行法師(ワキ:工藤和哉)の前に、崇徳上皇の霊(シテ:梅若紀彰)が現れ舞楽を奏して歓待します。やがて都での争いを思い出した上皇が怒りを表すと、白峰の天狗たち(ツレ:観世喜正ほか)が出現し、逆臣を討ってその心を慰めることを誓うのでした。

保元の乱ののち讃岐に流され、生きながら天狗の姿となって死後の祟りを誓ったとされる崇徳上皇。その悲憤と復讐の思いを鮮明に描いた作品です。上演の稀な作品で、明治時代に金剛流の演目に取り入れられて以来、金剛流でのみ上演されていましたが、平成6年に能劇の座で能本作成・西野春雄、作曲・梅若六郎により観世流の復曲能として上演され、その後も上演が重ねられています。大勢の天狗が現れる迫力や、崇徳上皇の怒りをより鮮やかに描き出す演出の工夫にご注目ください。

12月公演「特集・天狗―その知られざる世界―」

■平成24年12月7日(金)午後6時30分

詳細はこちら≫

狂言 井杭(いぐい) 野村万作(和泉流)
大会(だいえ) 高林白牛口二(喜多流)

■平成24年12月8日(土)午後1時

詳細はこちら≫

鞍馬参(くらままいり) 佐藤融(和泉流)
復曲能 松山天狗(まつやまてんぐ) 梅若紀彰
〔参加型イベント みんなで謡おう!〕
公演終了後、お客様とご一緒に「猩々」の謡で一年を締めくくります。
【入場料金】
一般 : 正面¥6,100 脇正面¥4,700 中正面¥3,100
学生 : 脇正面¥3,300 中正面¥2,200
電話  国立劇場チケットセンター(10時~17時)
0570-07-9900
03-3230-3000(PHS・IP電話)
インターネット予約  国立劇場チケットセンター
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