9月文楽公演『奥州安達原』の成功祈願
7月11日(金)、9月文楽公演『奥州安達原』「一つ家の段」ゆかりの地である福島県二本松市の観世寺を、出演者の豊竹咲大夫・鶴澤清治(人間国宝)・桐竹勘十郎らが訪れ、成功祈願を行いました。
出演者は引き続いて行われた会見で、次のように抱負を語りました。
豊竹咲大夫
「この作品は安達が原の鬼婆伝説を踏まえて浄瑠璃にした、とてもよくできた作品です。残酷で特殊な趣向があり、最後は義太夫独特のどんでん返しもあります。このようにゆかりの場所を訪問すると、実際に語るイメージがわきますね。岩手は残酷な老女ですが、悲しい最期をとげます。陰と陽でいうと陰のお芝居ですが、老女らしく語りたいです。大阪の芸能である文楽が奥州を舞台としたものを東京国立劇場でやります。ぜひ地元の方にも見ていただきたいです。」
鶴澤清治
「『一つ家の段』は昭和48年に十世竹澤弥七師匠が勤めた時、間合いと音色がすばらしかったことを思い出します。私は昭和57年に故豊竹呂大夫さんの語りで勤めましたが、今回は呂大夫さんの弟子、呂勢大夫君が語ります。若いながら師匠の芸を彷彿とさせる語りを聞かせてくれることを楽しみにしています。
以前、歌舞伎の先代勘三郎さんの岩手を拝見しましたが、残酷で恐ろしい面と人間味のある面、その両面の演技がすばらしかったことを憶えています。私もそのような表現ができればと思います。」
桐竹勘十郎
「岩手は初めて勤めさせていただきます。文楽ではどの作品でも、老女は重要な役が多いのですが、岩手は「莫耶(ばくや)」という特殊な首(かしら)を使います。残酷な場面にも文楽人形独特の表現があり、とても難しい役ですが、やりがいがあります。
故吉田玉男師匠の岩手は、全体を通してただの残酷な老女ではなく、品があってどこか普通の老女と違う雰囲気をだされていました。私も一本筋の通った品格のある人物になるようがんばりたいと思います。」