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歌舞伎公演ニュース

2026年6月9日

【6月歌舞伎鑑賞教室】

『仮名手本忠臣蔵』五段目・六段目
好評上演中、

サンパール荒川で20日(土)まで!

(舞台写真あり)

 6月は、歌舞伎屈指の名作『仮名手本忠臣蔵』から、五段目・六段目を上演します。サンパール荒川で、初日の幕が開きました!
 お芝居の前には『解説 歌舞伎のみかた』もあり、歌舞伎をご覧になったことがない方にも分かりやすい解説付きの公演です。また、中村芝翫・中村橋之助の親子が主役の早野勘平をAプロ・Bプロの交互出演で演じるほか、主要な役の多くがダブルキャストとなり、配役による見比べもお楽しみいただけます。

 舞台写真とともに、公演の魅力をご紹介します。

◆◆◆

 『解説 歌舞伎のみかた』のご案内は、市川男寅です。歌舞伎をご覧になったことがない方も安心してご観劇いただけるよう、歌舞伎独特の表現方法やお芝居のポイントをわかりやすくご紹介します。また、全十一段からなる『仮名手本忠臣蔵』の中で今回上演する場面に至るまでの背景を、皆さんも普段利用しているあのアプリや最新の話題などを取りまぜながら楽しく解説しています。

解説をする市川おとらとスクリーンに表示されるスマートフォンの画面

『解説 歌舞伎のみかた』
(市川男寅)

◆◆◆

 続いて、『仮名手本忠臣蔵』五・六段目の上演です。

恋人のおかると会っていたため、主君・塩冶判官による刃傷事件という一大事の現場に居合わせなかった早野勘平(A:中村橋之助/B:中村芝翫)は、自らを恥じ、京都・山崎にあるおかるの家に身を寄せ、猟師になっていました。


五段目「山崎街道鉄砲渡しの場」【Bプロ】
早野勘平(中村芝翫)

 狩りの途中、夜道で雨宿りをしていた勘平は、思いがけず同じ家中の千崎弥五郎(A:中村歌之助/B:中村福之助)と出会います。
 勘平は苦しい胸の内を明かし、主君のための敵討ちに対する思いを口にします。弥五郎から敵討ちの計画を知らされた勘平は、仲間に加わるため急いで資金を用意することを約束し、二人は別れます。


五段目「山崎街道鉄砲渡しの場」【Aプロ】
[左より]早野勘平(中村橋之助)、
千崎弥五郎(中村歌之助)

 一方、勘平を心配するおかるに強く頼まれた父・与市兵衛は、祇園の一文字屋に娘を売る話をまとめ、手付金の五十両を受け取りました。その帰路、ひと休みしていた与市兵衛でしたが、五十両の入った財布を何者かに奪われ、刺し殺されてしまいます。物陰から姿を現したのは、元・塩冶家臣の盗賊・斧定九郎(A:中村福之助/B:中村歌之助)です。


五段目「山崎街道二つ玉の場」【Bプロ】
斧定九郎(中村歌之助)

 定九郎が与市兵衛から財布を奪って行きかけた矢先、向こうから猪が走り出ます。猪を狙った鉄砲の音が聞こえると、倒れる定九郎。
 暗闇の中、大胆不敵に登場し、凄惨な殺しから、自身の死に至るまでをほとんど無言のまま表現する定九郎の、歌舞伎の悪役らしい格好良さが際立つ演技は必見です。


五段目「山崎街道二つ玉の場」【Aプロ】
斧定九郎(中村福之助)

 猪のあとを追って現れた勘平は、撃った獲物を縛ろうと近づきますが、倒れていたのは人でした。
 誤って人を撃ってしまったと驚く勘平は助けようと懐中を探りますが、つかんだのは定九郎が与市兵衛から奪い取った財布でした。一度はその場を離れた勘平でしたが、引き返して財布を取ると、急いで弥五郎のもとへ駆けていきます。勘平の揺れ動く心をリアルかつ効果的に描き出す、洗練された演技にご注目ください。


五段目「山崎街道二つ玉の場」【Bプロ】
早野勘平(中村芝翫)


五段目「山崎街道二つ玉の場」【Aプロ】
早野勘平(中村橋之助)

 翌日、おかるの家には、すでに一文字屋の女将・お才(中村魁春)と仲介人の源六(中村松江)がおかる(片岡孝太郎)を迎えに来ています。おかるとその母・おかや(A:中村梅花/B:中村歌女之丞)はいまだ帰らない父を心配していますが、お才と源六は、昨夜たしかに与市兵衛は金を受け取り帰っていったと言います。


六段目「与市兵衛内勘平腹切の場」
[左より]判人源六(中村松江)、
一文字屋お才(中村魁春)

 そこへ帰宅した勘平は、自身のためにおかるが身を売ってまで、金を工面しようとしているという話を聞いて、もはやその必要はないと伝えようとします。しかし、お才が与市兵衛に貸したものと同じだと言う財布が、昨夜手に入れた財布と全く同じ縞模様であることに気付き、勘平は愕然とします。


六段目「与市兵衛内勘平腹切の場」【Aプロ】
[左より]女房おかる(片岡孝太郎)、
母おかや(中村梅花)、早野勘平(中村橋之助)


 自分は昨夜、舅を殺したのだと思い込んだ勘平は、おかるを引き留めることもできず、昨日与市兵衛と会ったと言い、その場を取り繕います。おかるは別れを惜しみながら、駕籠に乗せられ祇園に向かうのでした。


六段目「与市兵衛内勘平腹切の場」
女房おかる(片岡孝太郎)


六段目「与市兵衛内勘平腹切の場」【Aプロ】
[左より]女房おかる(片岡孝太郎)、
早野勘平(中村橋之助)

 そこへ仲間の猟師たちによって与市兵衛の亡骸が運びこまれます。変わり果てた夫の姿におかやはショックを受けます。おかやは、先ほどから不審な態度を見せる勘平の懐から血のついた財布をつかみ取ると、与市兵衛を殺して金を取ったのだと責め立てます。


六段目「与市兵衛内勘平腹切の場」【Bプロ】
[左より]母おかや(中村歌女之丞)、
早野勘平(中村芝翫)

 さらには、主君を大切しなかった者の金は受け取れないと、原郷右衛門(A:中村芝翫/B:中村橋之助)が弥五郎を伴い金を返しに訪ねて来て、おかやとともに勘平を厳しく問いただします。それに耐えかねた勘平は……!


六段目「与市兵衛内勘平腹切の場」【Aプロ】
原郷右衛門(中村芝翫)


六段目「与市兵衛内勘平腹切の場」【Bプロ】
[左より]千崎弥五郎(中村福之助)、
早野勘平(中村芝翫)、原郷右衛門(中村橋之助)

◆◆◆

 不運に追いつめられる男の悲劇を描いた義太夫狂言屈指の名場面を、ぜひ劇場でご堪能ください。
 予備知識をコンパクトにまとめた鑑賞の手引きやプログラムの無料配布もあり、初めての歌舞伎鑑賞にもぴったりです。
 また、本公演は、東京都外の方にもご覧いただきやすいよう、23日(火)は静岡県コンベンションアーツセンターグランシップで、25日(木)・26日(金)は神奈川県立青少年センター紅葉坂ホールでも公演がございます。
 皆様のご来場をお待ちしております。

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