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国立劇場

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【12月文楽】好評上演中、14日(木)まで!(舞台写真あり)

国立劇場閉場後初の文楽公演として、北千住のシアター1010(センジュ)にて開催中の12月文楽公演が4日(月)に、文楽鑑賞教室が5日(火)に初日を迎えました。
本格的な出語り床も設置され、文楽ならではの舞台を北千住でもお楽しみいただいています。


出語り床の様子


12月文楽公演では、「平家物語」に題材を得た『源平布引滝』を上演しています。息もつかせぬ展開で文楽の醍醐味を堪能いただけます。
文楽鑑賞教室では、華やかな『団子売』で幕を開け、文楽座技芸員による解説をお届け。続いて、義理と情愛の狭間で苦悩する人々を描いた人気の名作『傾城恋飛脚』を上演しています。文楽が初めての方にもぴったりの公演です。
舞台写真とともに、みどころをご紹介いたします。



【文楽公演】
『源平布引滝』
(げんぺいぬのびきのたき)
今回の上演部分は、物語の三段目にあたります。
平治の乱で源義朝が討たれ、さらに義朝の弟・木曾義賢は平家方に攻められて壮絶な最期を遂げます。義賢の御台所で身重の葵御前は、縁あって九郎助に預けられ、義賢が義朝から引き継いだ源氏の白旗は九郎助の娘・小まんへ託されました。その後の九郎助一家、そして斎藤実盛の姿を描きます。

最初の舞台は琵琶湖。竹生島を詣でた帰りの平宗盛の御座船と実盛の小舟が出合います。一同が酒宴を楽しんでいると、助けを求めて泳ぐ女性が現れ、実盛が船に引き上げます。この女性は小まんでした。問い詰められた小まんが白旗を握りしめて抵抗すると、その腕を実盛が切り落とし、白旗とともに湖水を流れて行ってしまいます。




『源平布引滝』竹生島遊覧の段



九郎助の女房と葵御前の元に、九郎助と孫の太郎吉が返ってきます。川で魚を捕っていたところ、人の腕が網にかかったというのです。腕が握りしめていたのは、源氏の白旗でした。葵御前と九郎助夫妻は、行方不明の小まんの腕ではないかと心配します。


『源平布引滝』九郎助住家の段



そこへ葵御前の子供の詮議のため、実盛と瀬尾十郎がやってきます。ちょうどその時赤子が生まれたように見えましたが、検分役の実盛が確認すると、赤子ではなく人の腕でした。疑う瀬尾に対して、実盛が故事に例えてそれらしく語り、瀬尾を言いくるめます。


『源平布引滝』九郎助住家の段



瀬尾を見送ると、実盛は湖上での出来事を語って聞かせました。そこへ小まんの死骸が運び込まれます。試しに腕を接ぎ合わせると息を吹き返しますが、すぐに再び息絶えてしまうのでした。悲しむ両親は小まんが捨て子であったこと、そして平家方の血筋であることを明かします。間もなく葵御前が産気づくと、実盛は生まれた子を駒王丸と名付け、成人して功を立てることを条件に、太郎吉を若君の家来とします。


『源平布引滝』九郎助住家の段



陰で様子を窺っていたのは瀬尾です。若君を奪おうと踏み込むと小まんの亡骸を蹴り飛ばしました。すると太郎吉が瀬尾を刺し、虫の息となった瀬尾は、驚くべき真実を語ります……。


『源平布引滝』九郎助住家の段


◆◆◆



「文楽鑑賞教室」
『団子売』
(だんごうり)
杵造とお臼の仲睦まじい団子売りの夫婦が、明るくひょうきんな踊りを繰り広げます。おめでたい演目で文楽鑑賞教室の幕が開きます。


『団子売』



『解説 文楽の魅力』

文楽は太夫・三味線・人形が一体となって作られる舞台芸術です。技芸員が実演を交えながらその魅力をお伝えします




『解説 文楽の魅力』



『傾城恋飛脚』
(けいせいこいびきゃく)
実際に起きた事件をもとに近松門左衛門によって書き下ろされた名作『冥途の飛脚』を改作した作品で、世話物の代表作の一つです。

新口村生まれの忠兵衛は大坂の飛脚屋の養子となります。しかし、遊女・梅川と恋に落ち、さらにライバルと梅川を取り合う中で、武家屋敷に届ける公金に手を付けてしまいます。死罪は免れず、梅川とともに故郷の新口村へと落ち延びます


『傾城恋飛脚』新口村の段



新口村にたどり着いた忠兵衛と梅川は、足を滑らせて転んでしまった忠兵衛の父・孫右衛門を見つけます。親切に介抱してくれる梅川を不思議に思う孫右衛門ですが、梅川の様子から忠兵衛の恋人であると気づきます。




『傾城恋飛脚』新口村の段



孫右衛門は隠れている忠兵衛に聞こえるようにしながら、親として子をかわいいと思う気持ちと、忠兵衛の養母や世間への義理との狭間で苦しむ胸の内を語ります。
孫右衛門は、顔を見てしまっては自ら縄をかけなければならなくなると、忠兵衛との再会を拒みますが、梅川は機転を利かせ、目隠しをして忠兵衛と引き合わせました。再会を果たした親子に寄り添い、梅川はそっと目隠しを外します。
しかし喜びもつかの間、雪景色の中で、避けられない別れがやってきます。


『傾城恋飛脚』新口村の段


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チケット好評販売中
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また、残席がある場合のみ、シアター1010入口にて当日券の販売も行っています。


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