国立能楽堂

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【千駄ヶ谷だより】父子再会の地-歌占の滝-(7月4日定例公演)


 能「歌占」は、生き別れとなっていた父と子が、加賀国・白山の麓で歌占(弓に付けられた短冊の歌を引く占い)により再会を果たす物語です。

 石川県白山市には、その再会の地とされる「歌占の滝」があります。
 霊峰白山より日本海へ流れ込む手取川を、河口から上流に向かい10数キロ進んだ、国道157号線沿いの木蔭に歌占の滝はひっそりとあります。落差数メートルのそれほど大きくはない滝ですが、滝の傍らには石碑や案内板も立てられ、白山市の史跡にも指定されており、知る人ぞ知る観光地として謡曲ファンや〝滝マニア〟が訪れるスポットとなっているようです。

 能「歌占」は父子の再会の物語であると同時に、「地獄」を描いた作品としての側面もあります。父・度会某はかつて一度死んで、地獄の苦しみを味わい、三日後に生き返るも髪がすべて白髪になってしまったのです。度会が死後に見た地獄の有様を舞って見せる「地獄の曲舞」も本作の大きな見どころです。

 7月の国立能楽堂は「月間特集・能のふるさと・越路」と題し、越前・加賀・越中・越後ゆかりの能・狂言を特集します。4日の定例公演では、能「歌占」のほか、子方が活躍する越前・金津の里が舞台の狂言「金津」も上演いたします。この機会に国立能楽堂へご来場いただき、北陸の地に想いを馳せてみてはいかがでしょうか。


  歌占の滝(石川県白山市)


  能楽図絵二百五十番」(国立能楽堂蔵)より「歌うら」



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