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【9月文楽公演】桐竹勘十郎がゆかりの地で『玉藻前曦袂』の成功を祈願しました

 7月3日、桐竹勘十郎が9月文楽公演【第二部】『玉藻前曦袂(たまものまえあさひのたもと)』のゆかりの地である、栃木県那須町の史跡・殺生石と那須温泉(ゆぜん)神社を訪れ、公演の成功祈願と記者会見を行いました。

 桐竹勘十郎は、「玉藻前実は妖狐」を遣います。

 『玉藻前曦袂』は、天竺(インド)、唐土(中国)、そして日本の三国を股にかけて暗躍した金毛九尾(きんもうきゅうび)の妖狐の伝説を下敷きに、鳥羽院の兄・薄雲皇子の反逆を絡ませた筋立てで、演出的にもスペクタクルの要素が盛り込まれた作品です。今回は日本編を上演します。

 鳥羽院の寵愛を受ける玉藻前を食い殺し、玉藻前にとって代わった妖狐が正体を暴かれ、那須へと飛び去りますが、ついに討たれます。討たれた妖狐の霊魂が石となって残り、近づく鳥獣を死に追いやったことから殺生石と呼ばれるようになりました。作品の最後の場面である「化粧殺生石(けわいせっしょうせき)」はまさにこの那須の殺生石が舞台です。


 殺生石は、松尾芭蕉も『奥の細道』の旅の途中に立ち寄って句を残すなど、古くから史跡として知られていますが、現地は今も温泉地ならではのにおいが立ち込めていました。伝説では、妖狐の霊を鎮めるため幾人かの僧侶が派遣された中で、源翁(玄翁など諸説あり)和尚が石の教化に成功し、その後急激に毒性を弱めたと伝えられています。

玉藻前の顔が狐に変わるのは一瞬のこと、実に鮮やかな変化です

 

 那須温泉神社での成功祈願では、勘十郎が人形を遣って玉串奉奠を行い、成功を祈願しました。

 

夏の緑が爽やかな那須温泉神社の参道

 「化粧殺生石」は、妖狐の霊魂が夜な夜ないろいろな姿に化けて踊り狂うという趣向が面白く、通称「七化け」と呼ばれるように、七つの人形の早変わりが楽しい場面です。勘十郎が七役すべてを遣い分けます。平成27年に国立文楽劇場の錦秋文楽公演で昭和49年(1974)以来の再演が実現され、大きな反響を呼びました。東京では43年ぶりの上演となる今回の舞台は必見です。

 記者会見でも、狐が大好きと熱く語った勘十郎。これまで『義経千本桜』四段目の忠信実は源九郎狐や、『本朝廿四孝』奥庭狐火の段の八重垣姫など、狐が躍動する作品を数多く手がけてきた勘十郎の妖狐の演技にぜひご注目ください。

 現地で勘十郎が語った『玉藻前曦袂』への思いや、お客様へのメッセージを後日掲載しますので、続きをお楽しみに。

 9月文楽公演のチケットは8月7日(月)に販売開始です。この機会をどうぞお見逃しなく。皆様のご来場をお待ちしております。

  

9月文楽公演は、9月2日(土)から18日(月・祝)まで

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