新作狂言「鮎」。鮎を焼く煙の向こうに垣間見える男達の不思議な物語

あらすじ

清流手取川のほとりに住む才助は今日も川へ出て鮎を釣ります。この才助、不思議な力を持っていて、人の顔を見るとその者の人柄や将来を見通せるといいます。さて、次々に鮎を釣り上げる才助の前に、どこから来たのか泥まみれ血まみれの男が現れます。喧嘩をして山向こうから逃げて来た男を、才助は小屋に連れ帰り、釣れたばかりの鮎を振る舞い、この地で暮らすことを勧めます。しかし、小吉と名乗るこの男は、町へ出て一旗揚げるつもりだと才助の言を聞き入れません。小吉は才助の紹介で金沢の大きな宿屋に職を得ます。風呂焚きから下足番、番頭へと出世し、ついには入り婿となって宿屋の主人へと上り詰めます。まるで出世魚のような小吉はお城の殿様とも昵懇です。そんな噂を田舎で聞いていた才助はある頼みごとを胸に久方ぶりに小吉のもとを訪れます。その頼みごとを聞いた小吉は…。

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