歌舞伎公演ニュース

2018年5月31日

中村時蔵、中村錦之助、坂東新悟が
7月歌舞伎鑑賞教室への意気込みを語りました

 昭和42年(1967)にスタートし、毎年開催してきた歌舞伎鑑賞教室。7月で94回を数え、延べ来場者数が600万人に達する大きな節目を迎えます。
 今回は、近松門左衛門の時代浄瑠璃『日本振袖始(にほんふりそではじめ)』から、日本神話で有名な八岐大蛇(やまたのおろち)退治の伝説を描いた「簸(ひ)の川」の場面を、鑑賞教室では初めて取り上げます。親しみやすい題材と、歌舞伎ならではの華やかで視覚的な魅力に溢れた舞台で、初めてご覧になる方にも充分お楽しみいただけます。
 公演に先立ち、中村時蔵・中村錦之助・坂東新悟が舞台にかける意気込みを語りました。



(左より)坂東新悟、中村錦之助、中村時蔵

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中村時蔵
(岩長姫実ハ八岐大蛇)

 岩長姫(いわながひめ)実ハ八岐大蛇を初役で勤めます。この作品は、私が尊敬する成駒屋のおじ様(六代目中村歌右衛門)が国立劇場で復活した(昭和46年12月)もので、岩長姫は以前から勤めたかった役です。今回、気心の知れた弟の錦之助と、成長株の新悟さんと三人で、楽しい舞台を創っていきたいと思っています。
 女方で隈取ができる役は意外に少ないので、楽しみですね。調べてみると、八岐大蛇の隈は決まりがないようですので、『京鹿子娘道成寺』の後ジテや、変化物(へんげもの)を多く勤めた祖父(三代目中村時蔵)の写真を参考に、よりふさわしい隈取を考案したいと思います。先月楽屋でこの隈取の練習をしていたら、入ってきた人に驚かれてしまいました(笑)。
 岩長姫はお姫様ですが、花道の“スッポン”から登場し、本性は妖怪変化であるところを表現するのも面白いですね。前半の踊りでお酒を呑んで、だんだん酔っていく様子や、鬘(かつら)などの視覚的な変化を、いかに上手く見せられるかを考えています。
 成駒屋のおじ様をはじめ諸先輩に教えていただいたことは、次の世代に忠実に伝えていきたい、と常に思っています。今回は新悟さんと共演するので、一緒に出演するからこそ分かることは、ぜひ吸収してほしいですね。
 平成5年7月の第43回歌舞伎鑑賞教室『彦山権現誓助剣(ひこさんごんげんちかいのすけだち)』に出演した際に、来場者数300万人を迎えました。このような節目の公演に出演できることを嬉しく思っています。今後も、歌舞伎鑑賞教室が、若い世代の方々にとって歌舞伎に触れ、歌舞伎を好きになる機会になってくれれば、とても嬉しいです。

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中村錦之助
(素戔嗚尊) 

 この度、素戔嗚尊(すさのおのみこと)を勤めます。初役ですので、これから一所懸命稽古をして、兄の八岐大蛇に負けないように勤めたいです。
 『紅葉狩(もみじがり)』の余吾将軍平維茂(よごしょうぐんたいらのこれもち)(平成25年6月歌舞伎鑑賞教室)など今までに勤めた役々を参考に、作品の雰囲気に合う役作りを考えて臨みたいです。素戔嗚尊は後半の立廻りになってから登場します。古風な演目ですので、義太夫狂言らしく、形一つ一つが絵面になるように、決まりを大事にしたいです。歌舞伎の様式美を若い人たちにも伝えられるように勤めたいですね。
 「解説 歌舞伎のみかた」を新悟さんのような若い俳優が担当することは、とても良いことだと思います。学生の皆さんも、世代の近い俳優が解説をしていると、興味を持って、その後のお芝居も一所懸命観てくれます。そして、良いと思ったらSNSで拡散してくれます。それを見た他の学生も「前に観に行った学生が面白いと言っているよ、楽しみだね!」と思って観に来てくれるので、歌舞伎の裾野もさらに広がっていくのではないでしょうか。

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坂東新悟
(「解説 歌舞伎のみかた」・稲田姫)

 「歌舞伎のみかた」の解説と『日本振袖始』の稲田姫(いなだひめ)を勤めさせていただきます。解説は、2年前の7月に続き2回目です。特別な事をするというよりも、歌舞伎や義太夫に親しんでもらえるように、工夫を凝らしたいです。高校生の頃、通っていた学校の授業で鑑賞教室に来たことがあります。その時に周りの友人がどのように観ていたかなどを思い出しながら、歌舞伎のファンが一人でも増えるように勤めたいと思います。
 『日本振袖始』は、日本神話を題材にしているファンタジー的な世界観のある作品で、派手な立廻りもあって、若い方にも楽しんでいただける演目です。時蔵のおじ様とご一緒するので、女方の先輩の芸を勉強させていただくつもりで勤めたいです。扮装では、岩長姫の方がお姫様らしいので、稲田姫もお姫様らしく見せなくてはなりません。また、素戔嗚尊と恋人であるという気持ちも大事にしたいです。岩長姫が登場するまでの数分間、舞台上には稲田姫一人だけですので、お客様を飽きさせないよう、しっかりと場面を繋げられるようにがんばります。

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 解説付きで楽しめる歌舞伎鑑賞教室。日本神話を題材とする『日本振袖始』は、華麗で迫力に満ちた歌舞伎の傑作で、歌舞伎を初めて観るお客様にもお勧めです。
 13日(金)・20日(金)には、午後6時30分開演で、お勤め帰りの方にもご観劇いただきやすい「社会人のための歌舞伎鑑賞教室」を開催します。
 16日(月・祝)、20(金)~24日(火)は「親子で楽しむ歌舞伎教室」です。期間中は、お子様にも分かりやすく親しみやすいイラスト入りのリーフレットをお配りいたします。
 皆様のご来場をお待ちしております。

7月歌舞伎鑑賞教室は、3日(火)から24日(火)まで

社会人のための歌舞伎鑑賞教室は13日(金)・20日(金)午後6時30分開演

親子で楽しむ歌舞伎教室は、16日(月・祝)、20(金)~24(火)午前11時開演/午後2時30分開演(但し、20日(金)は午後2時30分開演のみ)

 
チケットは6月6日(水)午前10時より予約開始
国立劇場チケットセンターはこちら

公演詳細は↓↓↓