歌舞伎公演ニュース

2018年3月7日

3月歌舞伎公演『増補忠臣蔵―本蔵下屋敷―』
『梅雨小袖昔八丈―髪結新三―』好評上演中!

 3月は“四代にわたる芸の継承”をテーマに、上方の中村鴈治郎家―成駒家―と江戸の尾上菊五郎家―音羽屋―、それぞれに所縁の深い作品を上演しています。
 『増補忠臣蔵―本蔵下屋敷―』は、『仮名手本忠臣蔵』九段目「山科閑居」の前日譚として増補された作品で、桃井若狭之助とその家老・加古川本蔵の絆が描かれています。初代鴈治郎以来受け継がれてきた若狭之助を当代の鴈治郎が初役で勤めています。
 『梅雨小袖昔八丈―髪結新三―』は、廻り(出張専門)の髪結い新三と個性豊かな登場人物たちが織りなす世話物の名作です。五代目菊五郎以来受け継がれてきた新三を、当代の菊五郎の監修の下、菊之助が初役で勤めています。また、菊之助の長男・寺嶋和史も紙屋丁稚長松で出演しています。初お目見得以来2年ぶりの舞台で、待望の親子共演です。

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第一場 加古川家下屋敷茶の間の場

 加古川本蔵(片岡亀蔵)の下屋敷。殿中で刃傷に及んで切腹した塩冶判官と昵懇の仲だった桃井若狭之助(中村鴈治郎)は、事件にまつわる一連の行動で蟄居している家老の本蔵を成敗しようと、家臣の井浪伴左衛門(市村橘太郎)と共に屋敷を訪れます。桃井家を乗っ取り、若狭之助の妹の三千歳姫(中村梅枝)も我が物にしようと企んでいる伴左衛門。茶釜に毒薬を仕込む伴左衛門の様子を窺っていた本蔵は、伴左衛門に言い寄られた三千歳姫を救います。忠義に厚い本蔵の姿を滋味あふれる演技で見せます。三千歳姫が許婚である判官の弟・縫之助への想いを語るクドキも、見どころの一つです。


第二場 加古川家下屋敷奥書院の場

 引き立てられて来た本蔵に、若狭之助はその不忠不義を舌鋒鋭く言い立てます。そして、自ら本蔵を成敗しようと刀を振り上げますが、実は本蔵の心の内を見抜いていた若狭之助は意外な行動に出ます。本心を明かして本蔵の忠義ぶりに感謝を示した若狭之助は、本蔵に虚無僧姿への変装を勧め、高師直邸の絵図面を託します。「未来で忠義を尽くしてくれよ」という若狭之助の言葉には深い思いやりが滲みます。


第二場 加古川家下屋敷奥書院の場

 師直邸の絵図面を託され、大星由良之助の住む山科へと旅立つ本蔵。固い絆で結ばれた若狭之助と本蔵の別離を、三千歳姫の箏の演奏が情感豊かに引き立てます。幕切れで、名残を惜しむ三千歳姫を止め、今生の別れと知りつつ本蔵を送り出す若狭之助の姿が胸に迫ります。


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序幕 白子屋見世先の場

 新材木町の材木問屋・白子屋。主人が亡くなって家業が傾く中、後家のお常(市村萬次郎)は一人娘のお熊(中村梅丸)に持参金付きの婿を取ることを決め、仲人の加賀屋藤兵衛(河原崎権十郎)が結納を届けに来ます。手代の忠七(中村梅枝)と人目を忍ぶ恋仲であるお熊にとっては寝耳に水で、お熊は忠七に連れて逃げてほしいと迫ります。この様子を廻り髪結いの新三(尾上菊之助)が門口で盗み聞きします。身代金目当てにお熊の誘拐を思い付いた新三。忠七の髪を撫で付けながら、踏ん切りのつかない忠七に言葉巧みに駆け落ちを唆します。新三の鮮やかな髪結いの手さばきも見どころの一つです。また、紙屋の丁稚長松(寺嶋和史)が新三と絡み、愛嬌溢れる演技を見せます。


序幕 永代橋川端の場

 夜の永代橋。目論み通りお熊を誘拐した新三は、悪の本性を顕して忠七を傘で打ち据えると、“傘づくし”の啖呵を切ります。忠七を蹴倒し、「吹けよ川風」の黒御簾音楽とともに颯爽と橋を渡っていく新三の姿は小気味よく、色気が漂います。


二幕目 富吉町新三内の場

 深川富吉町の新三の裏長屋。誘拐したお熊を押し入れに閉じ込めた新三は、白子屋からの示談金を当て込み、景気よく初鰹に大金を払います。時鳥(ほととぎす)の声や初鰹の売り声、朝湯帰りの新三の浴衣姿など、初夏を迎えた江戸の市井の風俗も芝居を彩ります。
 お熊を取り戻しに来た名うての親分の弥太五郎源七(市川團蔵)に、新三は威勢よく悪態をつき、示談金として渡された金を叩き返して、源七の親分風をものともしない心意気を見せます。一方で、老獪な家主の長兵衛(片岡亀蔵)には歯が立たないという面白い一面も見せます。「鰹は半分貰ったよ」という長兵衛の言葉を訝しがる新三と子分の下剃勝奴(中村萬太郎)。長兵衛の女房お角(市村橘太郎)も加わって繰り広げられる掛け合いは、おかしみに溢れています。お熊誘拐の騒動の顛末と、新三と源七の意地ずくの対決の行く末は……!?


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 代々演じられてきた芸が継承される貴重な舞台となる3月歌舞伎公演。16日(金)・23日(金)は午後4時30分開演の公演もございます。また、短い時間で気軽にお楽しみいただける特別当日券(詳しくはここをクリック)も発売しております。



3月歌舞伎公演は、27日(火)まで
12時開演
但し、16日(金)・23日(金)は午前11時30分・午後4時30分開演
10日(土)・11日(日)は休演

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