歌舞伎公演ニュース

2018年2月21日

【3月歌舞伎】『増補忠臣蔵』が何倍も楽しめる!
くろごちゃんの『仮名手本忠臣蔵』あらすじ紹介(前編)

 3月歌舞伎公演は、“四代にわたる芸の継承”をテーマに、『増補忠臣蔵(ぞうほちゅうしんぐら)』『梅雨小袖昔八丈(つゆこそでむかしはちじょう)』を上演します。

 『増補忠臣蔵―本蔵下屋敷―』は、義太夫狂言の名作『仮名手本忠臣蔵』に登場する桃井若狭之助を主人公に、足利館での塩冶判官の刃傷事件から九段目「山科閑居」で加古川本蔵が大星由良之助のもとを訪れるまでの間に何があったのかを描いた作品です。『仮名手本忠臣蔵』のあらすじが分かると、『増補忠臣蔵』が何倍も楽しめます。今回、くろごちゃんが『仮名手本忠臣蔵』のあらすじを紹介します。

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付き人:ねえねえ、くろごちゃん。3月歌舞伎公演の『増補忠臣蔵』ってどんなお話? 「忠臣蔵」となにか関係があるの?

(⌒v⌒):『増補忠臣蔵』は、『仮名手本忠臣蔵』に登場する桃井若狭之助(もものいわかさのすけ)を主人公にした作品だよ。

付き人:やっぱり、そうなんだ。桃井若狭之助って、高師直(こうのもろのう)にひどいことを言われて討とうとしたお殿様?

(⌒v⌒):そうだよ。一計を案じてそれを止めたのが桃井家の家老の加古川本蔵(かこがわほんぞう)。

付き人:本蔵って「山科閑居(やましなかんきょ)」の主要人物だよね。そういえば、『仮名手本忠臣蔵』を通しで観た時、若狭之助は刃傷事件の後どうなったのかな、って思ったなぁ。

(⌒v⌒):大星由良之助(おおぼしゆらのすけ)たち四十七士の師直邸討入り後の「花水橋引揚げ」で登場するだけだもんね。『増補忠臣蔵』は三段目「足利館松の間刃傷」の後日譚、九段目「山科閑居」の前日譚になってるんだよ。3月歌舞伎公演を観る前に、『仮名手本忠臣蔵』で若狭之助と本蔵がどのように描かれているか、ぼくと予習しておこう!

◆◆◆

(⌒v⌒):鶴ヶ岡八幡宮で師直に侮辱されて怒り心頭の若狭之助は、「桃井館松切り」で家老の本蔵に、明日殿中で師直を斬るつもりだと打ち明けるんだ。家が断絶したとしても師直から受けた恥辱には替えられない、と涙ながらに話す若狭之助に、思いを晴らせとばかりに松の枝を切って見せる本蔵。


豊国画「桃井若狭之助・加古川本蔵」


付き人:えぇ?! お家断絶になるのに後押ししちゃうの?!

(⌒v⌒):本蔵は主人の気性を知ってるから、止めても無駄だと思ったんだろうね。若狭之助が奥の間に入ると、本蔵は急いで師直のもとに向かうんだ。

付き人:たしか賄賂を渡しに行ったんだよね~。

(⌒v⌒):そう、よく覚えてたね。それが「足利館門前」。いざ、師直を斬ろうと息巻いていた若狭之助だったけれど、賄賂を貰って上機嫌の師直が無礼を詫びたため、恨みを晴らす機会を失っちゃうんだ。でも、一方で師直のいじめの矛先は塩冶判官(えんやはんがん)に向かっちゃう。判官は師直の嫌がらせに耐えかねて刃傷に及ぶのだけれど……。一太刀では師直を仕留められなかった判官を本蔵が抱き留めたために、判官は師直を討ち取ることができなかったんだ。


国周筆「假名手本忠臣蔵三段目」


付き人:そっか、言ってみれば本蔵の機転が判官の刃傷事件のきっかけになっていたんだ。でもこれで桃井のお家は安泰だね☆ それに本蔵は判官の刃傷を止めたんだし。

(⌒v⌒):それが違うんだ。判官は無念のまま切腹、若狭之助はへつらい武士と世間で呼ばれることになったんだ。

付き人:えっ、じゃあ本蔵の取った一連の行動は逆効果だったってこと?

(⌒v⌒):そう。若狭之助の怒りを買った本蔵は自分の屋敷で謹慎することに。謹慎中の本蔵のもとに若狭之助が訪れるところから『増補忠臣蔵』が始まるんだよ。

付き人:それで若狭之助と本蔵はどうなっちゃうの?

(⌒v⌒):ん~、そうだねぇ。……いっぱい喋ったらなんだか疲れちゃった。甘いもの食べたいなー。

付き人:ええっ、肝心の「山科閑居」は?

(⌒v⌒):それは後のお楽しみ~。ちょっと休憩しよ。プリン、プリン。あ、アイスも良いなぁ~。

~二人は売店へと駆けていくのでした。~
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3月歌舞伎公演は、3日(土)から27日(火)まで
12時開演
但し、16日(金)・23日(金)は
午前11時30分開演、午後4時30分開演の2回公演です。
(10日(土)・11日(日)は休演)

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