50周年記念公演ニュース

2016年09月13日

演奏活動45周年、節目の年に…林英哲と『日本の太鼓』

これまでの出演をふりかえる<伝統芸能サロンより>

 8月23日(火)、国立劇場の伝統芸能情報館にて開催された伝統芸能サロン「国立劇場と日本の太鼓」に、9月特別企画公演『日本の太鼓』に出演する林英哲氏が登壇しました。
 国立劇場開場50周年を記念した今回の『日本の太鼓』公演への出演を前に、これまでの『日本の太鼓』について英哲氏の出演映像とともに振り返りました。



伝統芸能サロンの様子

 林英哲氏が太鼓の演奏活動を始めたのは昭和46年(1971)。鬼太鼓座〈おんでこざ〉のメンバーとして、昭和51年(1975)頃からは海外での公演を行うなど、日本の太鼓を国内外に発信する先駆者として活躍されていました。
 同じ頃、国立劇場では民俗芸能公演として昭和52年(1977)に第1回『日本の太鼓』を上演し、『御神乗太鼓(ごじんじょだいこ)』や『佐原囃子』など、日本各地で受け継がれる太鼓を取り上げました。英哲氏はこの公演をご覧になったそうです。

 英哲「第1回の『日本の太鼓』を観に行きました。公演で取り上げられた民俗芸能と、当時私が所属していた団体は同じ太鼓でもアプローチが違っていました。私は小さいころから太鼓が好きだったというわけではなかったので、正直な感想は、何かを学ぼうというよりは『こういうものもあるんだ』といった感じでした(笑)」


 そして、昭和54年(1979)に開催された第3回『日本の太鼓』に、英哲氏は鬼太鼓座の一員として出演します。

 英哲「国立劇場と言えば伝統芸能の総本山のような劇場ですから、まさか我々が出ることになるとは第1回目を観ていても思わなかったです。海外公演で大きな舞台には慣れていましたが、“国立”という権威も感じますし、“伝統芸能の牙城”というイメージもあり、非常に緊張しました。」

 実際に舞台に立たれて驚いたのは、舞台の大きさと客席の構造だったようです。

 英哲「何より舞台が大きい。そして、客席も大きいのに、お客様がとても近くに感じるんです。演じる側からすると大勢のお客様に一挙手一投足を観られている感じです。ここで失敗するわけにはいかないというプレッシャーのなかで演奏したことを覚えています」

 その後、太鼓奏者としてソロ活動を始めた英哲氏は、太鼓集団鼓韻の会のメンバーとして再び『日本の太鼓』の舞台に立ちます。

 英哲「私がソロ活動を始めたというのを国立劇場のプロデューサーが聞いたそうで、『それなら何かやってもらおう』と考えたのが鼓韻の会結成のきっかけだったそうです。それで小林正道さん(大江戸助六太鼓)と今泉豊さん(助六太鼓)、川田公子さん(みやらび太鼓研究会)のお三方と『太鼓集団 鼓韻の会』というその時のためだけのユニットを結成し、出演させていただいたんですね。それまでのグループで活動していた時は、グループのレパートリーを繰り返すだけだったので、他の表現の方法を学ぶ良い機会になりました」

 その後も、鼓韻の会として5回出演したほか、国立劇場開場30周年、35周年、40周年など節目の公演を含め、太鼓ソロ奏者として数多くの『日本の太鼓』で演奏していただいています。

 英哲「30周年では今回も演奏する『七星』を演奏しました。それまであまりなかった大太鼓を大勢で演奏できるものをと考えて作った曲です。当時は『日本の太鼓』は小劇場の文楽公演と同時期に開催されていたんですけど、この『七星』が小劇場まで響いてしまったようで。それ以降文楽公演と同時に開催されなくなったといういわくつきの曲です(笑)」

 どの公演にも思い出深いエピソードがあるようで、楽しくお話しいただきました。
 これまでの『日本の太鼓』に出演者や演出家として英哲氏は深く関わっています。今回国立劇場開場50周年を記念する9月の『日本の太鼓』では、自身も演奏活動45周年を迎える今年だからこそ節目を飾るべく“一人で”演奏して欲しいと劇場から依頼し、独奏『千年の寡黙』が実現します。そして独演に続いて、国立劇場の大きな舞台で再び『七星』を演奏していただきます。

 英哲「結構しんどいですよ。例えていうのであればフルマラソンをやった後に400mリレーに出場するくらいでしょうか。しかもメダルはいただけない(笑)。相当辛いですが、頑張ります」

 最後には公演への抱負を語ってくれた英哲氏。国立劇場で9月24日(土)、25日(日)に開催される『日本の太鼓』では、両日ともに『千年の寡黙』と『七星』を演奏します。
 金メダル級の迫力ある演奏をお楽しみに! 


林英哲(はやしえいてつ)
広島県生まれ。11年のグループ活動を経て、1982年よりソロ太鼓者として活動を開始。以後、ジャンルを超えた世界のアーティストやオーケストラと共演しながら、世界に向けて発信する新しい「太鼓音楽」の創造に取り組み魅力を提示し続けている。今年で演奏活動45周年を迎える。http://www.eitetsu.net/
               写真・冨永民生

公演情報の詳細はこちら
国立劇場9月特別企画公演「日本の太鼓」

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