50周年記念公演ニュース

2016年12月02日

【12月歌舞伎公演】『通し狂言 仮名手本忠臣蔵』【第三部】
初日を迎えました!

 12月2日(金)、国立劇場開場50周年記念『通し狂言 仮名手本忠臣蔵』【第三部】の幕が開きました。

 3ヶ月連続完全通し上演の完結篇となる12月の【第三部】では、10月【第一部】で描かれた加古川本蔵・大星由良之助の両家のその後に焦点が当たるエピソードと、討入りを陰から支えた人物たちのドラマ、そして、塩冶浪士の悲願達成となる討入りをお送りします。

 【第三部】の幕開きとなる八段目「道行旅路の嫁入」。許婚の大星力弥を追って鎌倉から京都・山科へと向かう本蔵の妻戸無瀬(中村魁春)と娘小浪(中村児太郎)の旅路が、義太夫節の名曲で綴られます。力弥との生活に想いを馳せる小浪と、継母でありながらも娘を温かく見守る戸無瀬。義理の母娘の道行という趣向が珍しく、華やかな曲調の中にも二人の哀感が漂う舞踊劇です。
 


「道行旅路の嫁入」
〈左〉本蔵娘小浪(中村児太郎)、〈右〉本蔵妻戸無瀬(中村魁春)

 加古川・大星両家の人物たちが揃う九段目「山科閑居」。今回は、由良之助が祇園から帰宅する"雪転し(ゆきこかし)"から上演します。昭和61年12月国立劇場以来30年ぶりです。

 小浪と力弥(中村錦之助)の祝言をめぐる戸無瀬とお石(市川笑也)の会話では、武家の妻としての義理と人情を交えた緊迫した応酬が繰り広げられます。戸無瀬と小浪が死を覚悟するくだりは、生さぬ仲だからこそお互いを強く思い合う親子の情愛を描いており、前半のみどころです。

 後半における、本蔵(松本幸四郎)の思わぬ行動と、その真意を見抜いた由良之助(中村梅玉)が見せる深い思慮。同じ家老という立場でありながら運命が分かれた二人を軸に、両家の交流が描かれます。本蔵が「忠義ならでは捨てぬ命、子ゆえに捨つる親心」と心中を吐露する場面は、心に響きます。名残を惜しみながら、別れ行く家族たちの姿に、胸が熱くなります。



九段目「山科閑居」
加古川本蔵(松本幸四郎)


九段目「山科閑居」
〈左より〉大星力弥(中村錦之助)、本蔵娘小浪(中村児太郎)、加古川本蔵(松本幸四郎)
本蔵妻戸無瀬(中村魁春)、大星由良之助(中村梅玉)、由良之助妻お石(市川笑也)

 討入りを目前に控えた十段目「天川屋」。由良之助から討入りに必要な武具類の調達を命じられている堺の廻船問屋の主・天川屋義平(中村歌六)。武士にも勝る侠気を見せて「天川屋義平は男でござる」と言い放つ場面は、最大のみどころであり、聞きどころです。また、その侠気に応えて由良之助が義平夫婦に示す配慮には、人物の大きさが感じられます。



十段目「天川屋」
〈左より〉大星由良之助(中村梅玉)、天川屋義平(中村歌六)、女房お園(市川高麗蔵)

 ついに塩冶浪士たちの悲願が達成される十一段目。「高家表門」で塩冶浪士が揃いの雁木模様の装束で集結した情景は圧巻です。「広間」「泉水」における塩冶浪士と高家方の武士との大立廻りは迫力満点。高家の手練の付人・小林平八郎(尾上松緑)と塩冶浪士の竹森喜多八(坂東亀寿)の二人が繰り広げる激しい闘いは手に汗を握ります。師直の首級を挙げる「柴部屋本懐焼香」では、由良之助が早野勘平(11月【第二部】で上演)の財布を取り出し、義兄の寺岡平右衛門(中村錦之助)に手渡して焼香をさせます。艱難辛苦の果てに思いを遂げた浪士たちのむせび泣く姿は、大きな感動を呼びます。
 「花水橋引揚げ」では、大願を成就させた浪士たち全員が名乗り、桃井若狭之助(市川左團次)が見送る中、晴れ晴れと引揚げます。



十一段目「泉水」
〈左〉竹森喜多八(坂東亀寿)、〈右〉小林平八郎(尾上松緑)



十一段目「柴部屋本懐焼香」
〈前列左より〉寺岡平右衛門(中村錦之助)、大星由良之助(中村梅玉)、原郷右衛門(市川團蔵)ほか



「花水橋引揚げ」
大星由良之助(中村梅玉)、桃井若狭之助(市川左團次)ほか

 10月、11月の2ヶ月間にわたって描かれてきた物語が終幕に向かい、最高潮の盛り上がりを見せる【第三部】。幾重にも重なり合う登場人物たちの様々な願いや想い、壮大な人間ドラマが、ついに完結します。討入り事件が起きた12月に上演する『忠臣蔵』の決定版をどうぞお見逃しなく!


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10・11・12月歌舞伎『通し狂言 仮名手本忠臣蔵』特設サイト


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