50周年記念公演ニュース

2016年09月16日

松本幸四郎・中村梅玉
10月歌舞伎公演『通し狂言 仮名手本忠臣蔵』【第一部】の
成功を祈願しました

 9月9日、松本幸四郎と中村梅玉が、国立劇場10月歌舞伎公演『通し狂言 仮名手本忠臣蔵』【第一部】の出演を前に、今月出演中の巡業先である兵庫県赤穂市にて、物語にゆかりの深い赤穂大石神社に参詣しました。大石神社には、大石内蔵助以下四十七士らが祀られています。社殿にて公演の成功を祈願し、その後、記者会見を行いました。
 


(左より)中村梅玉、松本幸四郎、大和田文雄(日本芸術文化振興会理事)

 


松本幸四郎
(大星由良之助)

 この度、国立劇場が50周年を迎える記念公演で、四段目の大星由良之助を勤めさせていただきます。このお役は、役者の技量とか芸とかそういう技術的なものでは、とても勤めきれない大役中の大役のひとつです。以前、父(初代松本白鸚)の由良之助の舞台を観ていた時に、その幕が閉まると、隣で観劇していたご夫婦が「ああ、大星由良之助って、こういう人だったんだろうね。」と話しているのを聞きました。まさにそれが全てで、大星由良之助は『仮名手本忠臣蔵』の中で生きていなければならない役なのです。

 今回は、国立劇場の20周年記念公演以来30年ぶりとなる全段の通し上演で、本当に画期的なことです。塩冶判官を勤めてくださる梅玉さんを始め、みなさんと一緒に心して演じたいと思います。 こうして「通し上演」という形式が確立したのも、通しでの公演を重ねてきた国立劇場の力が大きかったと思います。歌舞伎を大事に考えた国立劇場の企画、それをご覧になるお客様の歌舞伎を愛してくださるお気持ち、それらがあったからこそ、今回の公演も実現できたと思います。

 赤穂大石神社は皆様のご寄付で社殿を建て直されたとうかがいました。忠臣蔵を愛し、大石内蔵助を始めとする四十七士を愛する皆さんがご寄付をなさったと聞き、「これぞ忠臣蔵だ」と思いました。赤穂城跡の石垣にも胸を打たれます。また、こちらに納められている浅野内匠頭の木像の作者が、国立劇場のロビーに飾られている彫刻「鏡獅子」と同じく、平櫛田中さんだとうかがい、深いご縁を感じています。

 歌舞伎界ではここ10年、歌舞伎座の建替えがあったり、先輩や後輩たちが亡くなったり、本当に大変な時期で、まさに赤穂浪士のような心境でございました。苦難を乗り越え、歯を食いしばって頑張って迎えた国立劇場の50周年です。

 大げさなことを言えば、この後、赤穂浪士が本当に日本人の心に残っていくのか、それとも上辺だけで「赤穂浪士・・・四十七人の敵討ちね」という程度で続いていくのか、今回の公演がその瀬戸際のような気がしています。『仮名手本忠臣蔵』をご覧になって、ひとりでも多くのお客様に感動していただきたいと思います。



中村梅玉 
(塩冶判官)

50周年記念の公演で『仮名手本忠臣蔵』の塩冶判官を勤めさせていただくことは、大きな喜びでございます。思い起こせば、20周年では大星力弥で出演しておりましたが、その時の『忠臣蔵』は今や伝説となっている程の大舞台でございました。今回は50周年ですから、高麗屋の兄さん(幸四郎)を筆頭に、なんとか後世に残るようないい舞台を勤めなければいけないと、今その緊張感でいっぱいです。

 判官は大切にしているお役の一つで、14年ぶりに勤めさせていただくことが楽しみです。大先輩の尾上梅幸(七代目)のおじ様に手とり足とり教えていただいた役で、なかなか梅幸のおじ様のようにはなれませんが、なんとかそれを目指して一所懸命勤めさせていただきます。判官というお役は品格がまず何より大事ですが、それがなかなか出ないんです・・・梅幸のおじ様は神様のような判官でしたからね。また、切腹の場面は、厳かな儀式をお見せするように、しっかりと演じることも大事だと思います。

 赤穂大石神社にうかがうのは二度目です。前回も感じましたが、なんとも大らか、のどかな土地のような気がいたします。そういう土地で育った殿様の浅野内匠頭も、きっと大らかな人だったのではないかと感じています。

 50年前、当時の先輩たちの念願・悲願であった“ナショナルシアター(国立劇場)”というものが初めて日本にできました。その日本文化の象徴とも言える国立劇場ですから、日本文化の代表である歌舞伎を我々が担っているという誇りとそれなりの覚悟を持って、いつも舞台に立たせていただいています。



 10月から12月までの三ヶ月にわたってご覧いただく『仮名手本忠臣蔵』の全段完全通し上演。
 10月の【第一部】は、物語の発端から由良之助が師直への復讐を誓うまでの上演です。
 四段目「塩冶館」では、厳粛な雰囲気の中で判官が切腹に臨みます。哀れな風情に無念の想いがにじむ判官の姿は、胸に迫ります。その後、由良之助が国許から駆け付けて判官に対面するのが、【第一部】の最大の山場です。由良之助の演技には、国家老としての貫録と複雑な思いを表現する肚芸が要求されます。また、緊迫感が漲る登場シーン、血気に逸る諸士たちを諭す件、復讐への決意、幕外の引込みと見せ場が続き、目が離せません。
 また、今回の公演では、二段目「桃井館」、三段目「文使い」「裏門」、四段目「花献上」と、上演の稀な場面も取り上げます。この後に展開する物語の重要な伏線が盛り込まれており、11月の【第二部】や12月の【第三部】をより一層楽しめます!
 歌舞伎の歴史に残る貴重な舞台をぜひご覧ください。

 

10月歌舞伎公演は10月3日(月)から27日(木)まで
チケット好評発売中です 

公演情報の詳細はこちら

10・11・12月歌舞伎『通し狂言 仮名手本忠臣蔵』特設サイト

ページの先頭へ