50周年記念公演ニュース

2016年12月01日

中村梅玉・吉田玉男が泉岳寺を訪れました

 12月歌舞伎公演と12月文楽公演で上演される『仮名手本忠臣蔵』。12月歌舞伎公演で大星由良之助(※1)を勤める中村梅玉、12月文楽公演で大星由良助(※1)を遣う吉田玉男が、東京・泉岳寺を訪れ、塩冶判官(塩谷判官※2)のモデルとなった浅野内匠頭の墓所、由良之助(由良助)のモデルとなった大石内蔵助の墓所に、公演の成功を祈ってお参りし、それぞれの『仮名手本忠臣蔵』について魅力を語りました。

 (※1)…歌舞伎では「由良之助」、文楽では「由良助」と表記が異なります。
 (※2)…歌舞伎では「塩冶判官」、文楽では「塩谷判官」と表記が異なります。


(左より)中村梅玉、吉田玉男、吉田玉路、吉田玉翔
<浅野内匠頭の墓前にて>


 

中村梅玉(大星由良之助) 「由良之助という“役の重み”」


 国立劇場開場50周年記念の完全通し上演『仮名手本忠臣蔵』締め括りの【第三部】で、大星由良之助を勤めさせていただくことは大変ありがたく名誉なことです。

 10月の【第一部】では塩冶判官を勤めさせていただき、この【第三部】では由良之助を勤めさせていただきます。【第一部】で、判官が由良之助に手渡した腹切り刀を、今度は私が由良之助として手に取り師直を仕留める・・・なかなかできない体験です。30年前の開場20周年公演の時には、由良之助の息子・力弥役でしたが、今回、父親に昇格しました(笑)。

 『仮名手本忠臣蔵』は、六段目はもちろん七段目も九段目も、言ってみれば赤穂浪士の“サイドストーリー”です。特に九段目は、討入り前の大星力弥のもとに、刃傷で判官を抱き止めた加古川本蔵の娘・小浪が嫁入りしてくるという場面で、大星家・加古川家の間で素晴らしいドラマが展開します。

 今回は、十段目も上演します。「天川屋義平は男でござる」という有名なセリフは、昔ならどなたでもご存じだったと思います。天川屋義平は商人ですが、お世話になった塩冶家を応援し、討入り前の支度を整える人物です。そういう“義の世界”がとてもよく描かれています。
 そして最後に「討入り」から「引揚げ」をお見せして、無事に討入りは遂げられたと、お客様にも共感を得ていただきたいと思います。

 文楽では、由良之助を玉男さんがお遣いになります。由良之助という“役の重み”は、きっと玉男さんも私も同じく感じていると思います。
 気を引き締めて勤めたいと思います。



吉田玉男(大星由良助) 「大将の貫録を求められる役」


 12月文楽公演『仮名手本忠臣蔵』で大星由良助を通しで勤めさせていただきます。
 10月、11月と歌舞伎の公演を拝見させていただきました。12月歌舞伎公演の【第三部】は、八段目から最後の十一段目までということですが、文楽では、1日での全段通し上演となります。大序から始まる第一部(昼の部)は午前10時30分の開演、第二部(夜の部)が午後4時30分の開演で、終演が午後9時30分頃になるという大掛かりなものです。

 先代の師匠(初代吉田玉男)は「本当に一番好きなのは由良助や」ということをよく言っておりました。二代目を襲名して初めての由良助を一所懸命遣わせていただきたいと思います。

 由良助は大将の貫禄というものが求められるお役です。四段目の判官切腹は型があり、それにはまるところもあります。しかし、七段目では、お酒を飲んで寝ているところなどが本当に難しく、性根が表に出せないことからも、由良助のなかでも一番難しいのではないかなと思います。

 九段目(「山科閑居の段」)は、本蔵のお芝居になって由良助が後から登場します。太夫さんも忠臣蔵の浄瑠璃で一番難しいと言われるほど大変なところです。十段目は、玉女時代に天河屋義平をさせていただきましたが、由良助は初めて遣います。 その他、三段目から四段目にかけての刃傷から判官切腹までや、由良助の登場しない場面でも五段目の山崎街道出合、六段目の勘平腹切など、いろいろなお芝居があって見どころも多く、みな良くできています。

 歌舞伎(大劇場)と文楽(小劇場)で、隣で一緒にこうして『仮名手本忠臣蔵』を上演するというのは初めての事です。12月と言えばやはり“忠臣蔵”ですから、お客さんにも歌舞伎と文楽の両方を見ていただいて、違いを楽しんでいただけたら嬉しいです。



<遅かりし黒衣之助>
 墓参と記者会見が全て滞りなく終わったところへ、あの大星黒衣之助も泉岳寺を訪れ、浅野内匠頭のお墓をお参りしました。
 3ヶ月連続完全通し上演の歌舞伎、昼夜全段通しの文楽ともに、一大企画の千穐楽までの無事成功を祈りつつ、皆様のご来場をお待ちしております。


12月歌舞伎公演は12月2日(金)から26日(月)まで
チケット好評発売中です 
10・11・12月歌舞伎『通し狂言 仮名手本忠臣蔵』特設サイト


12月文楽公演は12月3日(土)から19日(月)まで
チケットおかげさまで残席僅少です 
12月文楽公演『通し狂言 仮名手本忠臣蔵』特設サイト

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