50周年記念公演ニュース

2016年10月26日

尾上菊五郎・中村吉右衛門
11月歌舞伎公演『通し狂言 仮名手本忠臣蔵』【第二部】の
記者会見を行いました

 10月12日、国立劇場11月歌舞伎公演『通し狂言 仮名手本忠臣蔵』【第二部】の記者会見が行われ、五段目と六段目の早野勘平を勤める尾上菊五郎と、七段目の大星由良之助を勤める中村吉右衛門が、公演への思いを語りました。


(左より)中村吉右衛門、尾上菊五郎



尾上菊五郎
(早野勘平[五・六段目])


 国立劇場開場50周年記念『通し狂言 仮名手本忠臣蔵』の五・六段目で、早野勘平を勤めさせていただきます。何回やっても難しい役ですが、初心に返り、新しい気持ちで勤めたいと思います。

 義太夫狂言である『忠臣蔵』の中で、六段目は世話物に近く、リアルとまではいきませんが、人物の内面を表さないと芝居が繋がりません。世話物では出演俳優のチームワークが必要ですが、六段目も同様で、一つのチームで芝居をトントンと運ぶことが大切です。それは、稽古を十分に積んでやり込まないと、表現できません。そういう意味で言うと、“心理劇”の要素がありますね。
 私は、いつも考えるんですが、勘平は、もし姑のおかやが騒ぎ立てたら、おかやを殺してでも忠臣として討入りにお供したいと願うほど、追い詰められている役ではないかと感じています。
 五段目は、様式美できれいに見せなくてはいけません。その後、六段目で、千崎にお金を渡したので意気揚々とした気分で勘平が帰ってきて、悲劇が始まる。その展開を細かく見せることができればと考えております。

 『忠臣蔵』は、(塩冶)判官様が切腹するまでの雰囲気がとても重くて、楽屋の中もシーンとしています。他の芝居と違いますね。また、切腹の場では、客席からは見えない場所に(塩冶の)家来がずらっと並ばなければいけないとか、家来たちのすすり泣きの声が難しいとか、色々な教えが伝えられています。その点は、私たち演じる側にとっても面白く、深いものだと思います。


中村吉右衛門
(大星由良之助[七段目])

 50周年という記念の公演に出演させていただけますこと、誠に光栄です。私も吉右衛門を襲名して今年で50年ですので、国立劇場が50周年を迎えることを忘れずにいました。
 七段目の由良之助は本当に難しいお役です。初代吉右衛門は晩年、花道の力弥に会いに行く間に、小唄をうたっていたそうで、そういう余裕を持ちながら、色気も必要であり、それでいて武士の魂を失わないという難しい役でございます。実父(初代松本白鸚)の舞台などを思い出しながら勤めたいです。

 七段目は、正直申しまして、手掛かりといいますか、どこをとらえて良いのかが難しいお芝居です。由良之助は、一力茶屋で様々な人と対面しながら、ずっと遊んでいるように見せます。後半は平右衛門とおかるの兄妹の芝居になりますが、最後の最後は由良之助が本心を明かして舞台を締めなければいけません。その難しさのため、今まで何度勤めても「ああこれだ」というところまでは行き着いておりません。今回はなんとかそういうものを掴み、舞台で表現したいですね。


 10月から12月までの三ヶ月にわたってご覧いただいている『仮名手本忠臣蔵』の全段完全通し上演。
 11月の【第二部】は、清元の所作事「道行旅路の花聟」から始まり、五段目、六段目、七段目を上演します。
 「道行旅路の花聟」は、東京式の通し上演では、四段目の後に上演するのが通例ですが、今回は、その後に続く勘平とおかるの悲劇の序曲として上演します。
 五段目と六段目では、おかるの実家に身を寄せることになった早野勘平・おかるとその一家に降りかかる悲劇が描かれます。五段目と六段目の勘平は、東京式の演出では、五代目尾上菊五郎が完成させた音羽屋型を踏襲しており、写実と様式美が融合した歌舞伎特有の表現を楽しむことができます。
 そして、七段目は、討入りの機会を窺う大星由良之助の苦心を描きます。七段目の由良之助は、廓で遊ぶ男の色気と忠臣としての性根を兼ね備えています。その演じ分けに俳優の個性を垣間見ることができます。
 
 尾上菊五郎と中村吉右衛門が各々の当たり役で至芸を見せる舞台は、開場50周年記念公演ならではです。練り上げられてきた名場面の魅力をお楽しみください。
 

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10・11・12月歌舞伎『通し狂言 仮名手本忠臣蔵』特設サイト


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